歩き出す
寝ぼけまなこの君
猫のようにふわり
隣立ってひとつ
あくびして笑って
ふらふらとふたりで
あてもなく歩けば
陽だまりにやさしい
たんぽぽの微笑み
何気ないとき
気づけば
住み慣れた街の
いつもと違う道
曲がり角曲がれば
気づかなかった景色
たたずむ想い
振り返る
過ぎ去った日々
戻らない時も
巡る季節に
生まれ変わるよ
水溜り飛び越え
吹き抜ける風ふと
仰ぎ見た空には
一番星きらり
さよなら告げる
また会える日までと
差し出した掌
触れるよりも早く
唇にぬくもり
いたずらな君
あのころのまま
面影残し
去っていく
手を振って
歩き出す
さよなら
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