「それでは、さっそく……!」

 執事は何処かへ行ってしまった。

(……まぁ、大方厨房に行ってワインでも取りに行ったんだろうな)

 ――と、そこまで考えて。

「……あれ? なんでそんなことわかるんだろ……」

「準備を致しましょう♪」

 メイドも揃ってどこかへ行ってしまった。少年人形と少女人形は相変わらず踊っている。「今夜限りは無礼講!」とか言っている。

 今日は、今夜は、楽しんだほうがいい。

 例え『次』があったとしても――。






≪Twilight ∞ nighT【自己解釈】 2≫







 『洋館』という舞台セットは完璧だ。

 そして、『執事』『主人』『奥方』『お嬢様』『少女人形』『少年人形』『メイド』、『村娘』の衣装・メイクも完璧だ。

 全ては、台本通り。

 寸分違わずに行なっていく。

「……さてと」

 そう言って執事は広間へとワインボトルと八つのワイングラスを持って行く。

 何度これをしたか、解らない。

 それでも、終わらせたい。

 この、『演劇』を。

 Happy Endで。

 そのためには、全てを台本どおりに。True EndでHappy Endを届けなくてはならない。例え瞬き一つ、ため息一つ、挙句足音一つですら間違えることはできない。

 寸分の狂いもなく、怪しいくらいな舞台を届ける。

 例えそれが、狂っていたとしても。

「素晴らしい!」

「……もっと」

「たまらなぁい!」

「……もっと!」

「シビれるぅ!」

「もっと称えて頂戴!」

 称えることこそが彼女らにとっての褒美。

 称えることを簡単に見せる術。

 それこそが。

 五臓六腑までも染み渡る、拍手。

 さぁ、準備はよろしいか?





つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Twilight ∞ nighT【自己解釈】 2

終わる気がしないんだ……。

本家:http://www.nicovideo.jp/watch/sm20081073

そういえば「サヨナラチェーンソー」はいい歌ですよね。

閲覧数:353

投稿日:2013/02/16 22:48:41

文字数:756文字

カテゴリ:小説

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