朝七時半、■■方面 ギラつくステンレス 満員御礼
生きる屍を吐いて吸って 食いしん坊の列車が走り出す

社会人の刑 走る監獄 服役なう
赤の他人と ガチ恋距離 望んでない
押して押されて 耳元で 響く舌打ち
地獄はまだ 始まったばかり 憂鬱な気分さ

淀んだ空気 呼吸ためらい 酸欠ぐったり
車内トラブル 予断許さず お腹キリキリ
目の前で堂々 マナー違反 募るイライラ
乗り換えまで 後3駅 早く着いてくれ

こんな朝活聞いてない 充実なんて絵空事
終わりはあるの? 轢かれるほうがマシじゃない?

箱ん中手足をばたつかせ 我先に出口を求めて
社畜のちっぽけな誇りは 揺れる車内でもみくちゃに
生憎出口はどん詰まり 屍の束に押し返され
出口の先も見えずに 溺れる毎日 しんどい

化粧 加齢臭 汗 タバコ 酒 鼻腔を濁す
私語 咳 着信音 スキール音 鼓膜劈く
転職 薬 薄毛治療 実に目障り
せめてもの防御 五感を閉じて 内側に逃げる

今日も怯え頭垂れて角立てずに言いなり
脇目振らず業務こなす肉まとったカラクリ
朝も昼も夜もずっとずっとずっと労役
束の間の快楽求め煙草なんぼ吸うてる?
「大丈夫です」が口癖で遠慮なんざ道断
「やりがい」って虚勢張って自分騙し続ける
対価もらい「幸せか?」と疑問頭グルグル
変わる勇気引き出せずにウンコ垂らし続ける

箱ん中手足をばたつかせ でも出口進むのためらって
皆一緒だから問題ない 揺れる列車で自己弁護
でも気力体力は有限で 知らず識らずに削れてく
生きる屍の束のなかで 本当の屍になりそうで

バグりました。休みました。悩みました。そして、辞めました。

もがいても変わらず 自己弁護空しく 見栄はりました マジで嫌でした

箱ん中手足をばたつかせ ただただ命をすり減らし
それも今は昔の話 おバカだった、私。

箱ん中手足をばたつかせ 生きる屍を横目に見て
地獄の日々にさようなら 監獄は遠くへ走っていく

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

HNLC0005「満員電車でもがき苦しみ」

とある社会人のお話。

閲覧数:20

投稿日:2024/02/12 16:34:31

文字数:828文字

カテゴリ:歌詞

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