古の呪いにある一匹の猫
藍色に染まるその身体と
深海の如く深い瞳の色に
誰もが息を飲むその歌声は
どんな願いも叶えるという。
向日葵の咲く屋敷の奥
病に犯される娘がいたという
向日葵の手入れをする少年庭師は
その娘の安否をただ願う
そんなとき小耳に聞いた
藍猫の噂を
『自分の大切な物を渡せば、願いを叶える歌を奏でよう』
少年は探す古の藍猫
たとえ全て無くなっても
娘と交わした笑顔をただ
守るため呪いの猫を探す
森の奥向日葵が咲く
小さな祠を見つけた
祠の中には蒼い眼の
艶やかで美しい猫がいた
『オマエの願いを叶えよう 娘の病を治してやろう
ただし娘の中に宿る
オマエの記憶を全て消して』
少年はただ笑い頷いた
それで娘が助かるのならば
「例え己の身が泡沫に消えようとも
僕はあの子が生きていればいい」
藍猫は笑い歌を奏でる
少年の淡い恋心を乗せて
娘の記憶から少年が消えた時
身体を蝕む病は溶けた
父は喜びに涙を溢し
母は安否に笑顔を溢し
娘は軽い身体に喜び
少年は静かに息を引き取った
藍猫は静かに笑い死ぬ少年に
昔の淡い記憶を思い出した
向日葵の花が静かに揺れる
娘はただ涙を流した。
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