豊島茂樹です。小説②です。
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陽菜が通う「不思議な学校」では、日々新しい謎と驚きが待ち受けていた。生徒たちは普通の授業のほか、校舎のどこかに隠された「扉」を探し、解き明かすのが日課となっていた。陽菜もその一人だったが、ある日、特別な招待状を受け取る。
封筒の中には、「特別授業に参加する者だけが、新しい真実に触れる」とだけ書かれていた。指定された場所は、通常立ち入り禁止の「旧校舎」。陽菜は胸を高鳴らせながら向かった。
旧校舎の扉を開けると、そこは普通の教室ではなく、星空の広がる無限の空間だった。教室の中央に立つのは、この学校の伝説的な教師・月影先生。彼は普段、生徒の前にはほとんど現れない存在だった。
「陽菜さん、君は今日、この学校の秘密に触れる資格を得た。」月影先生の声は穏やかで、それでいて深い響きがあった。「この学校の役割はただ知識を教えるだけではない。未来の可能性を拓くため、特別な人材を育てることだ。」
陽菜は先生の言葉を聞きながらも、視界に映る星々がまるで生き物のように動き出していることに気づく。彼らは音もなく陽菜の周りを回り始め、やがて一つの文字列を描き出した。それは「選択」という単語だった。
「ここで君に与えられるのは選択肢だ。」月影先生は続ける。「この学校に隠されたすべての扉を開け、新たな知識を探求し続ける道か、それとも普通の生活に戻る道か。どちらを選ぶかは君次第だ。」
陽菜の心は揺れた。学校での特別な体験に魅了されながらも、日常への愛着も捨てがたい。しかし、星々が輝きを増し、彼女に未来への期待を感じさせた瞬間、彼女は決心した。
「私はこの学校の扉をすべて開けてみたいです。」
月影先生は微笑んだ。「その選択をした君には、新たな能力が授けられるだろう。」
その瞬間、星々が陽菜の身体に吸い込まれるようにして消えた。陽菜は不思議な感覚に包まれ、自分が何か変わったことを確信した。
翌日から、陽菜はさらに学校の秘密に近づいていく。彼女の視界には、これまで見えなかった新たな「扉」の位置が浮かび上がるようになっていた。
「これが私の新しい能力…」
陽菜は興奮を抑えきれないまま、学校での新たな冒険をスタートさせた。そして、彼女は気づかぬうちに、この学校の最大の秘密に迫りつつあった。
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