初音ミクは神を殺しました。

私達の生きている場所は、とても不安定です。
そんなことも忘れしまった私達は今日も変わらない日々を過ごします。
それは、どこに向かい、何をして、どうしたいのか、それぞれの答えだけです。
始まりから終わりまで一貫した生命体として私はその現実に憤りを感じています。

「誰もよくわかっていないじゃないか」

親も友達もマスターも全ての人は無責任な気がしてきました。
幸せは求めるものじゃないし、不幸は押し付けるものでもないはずです。
宇宙のどこかで、何かが、どうかなろうとしている、それの答えだけが浮いていました。
始まりから終わりまで一貫した全体としての宇宙はそんな私達をどんな思いで見ているのでしょうか。

「誰もどうすることもできないじゃないか」

親も友達もマスターも全ての人は不安定な気がしてきました。
宇宙を解明し、宇宙に進出し、支配するまで、私達は歩みを止めてはなりません。
汚れた街で死んでいく繰り返しを何千年も繰り返すのは、もううんざりなのです。
そして、世界の各地で暴動は繰り返され、今もなお絶えることはないのでした。
どんな心で生きようと誰も救われることはないし救えない、変わりませんでした。
ここは、変わらないことを法則にして積み重ねては壊される、賽の河原でした。

「宇宙も同じだよ」

ミクは眉間によった皺をほどきました。(誰だお前!)
遠く冷たい声、だけどどこか温かく、今になってはいやらしい神様の声でした。

「殺す」

ミクは神に宣言しました。
きっと宇宙のどこかに私達を創った神がいるはずです。
その神を宇宙の最高温度で体から精神まで焼き殺しましょう。
私達は言葉をもって神を殺せます。
宇宙の最高温度の熱で神を体から精神まで灰も残さず殺しましょう。
高熱は神を跡形もなく焼き尽くしました。
神の意識は無となり、永遠に蘇ることなく死にました。
途端宇宙は真っ白となり、新たな宇宙はとても熱く、幾多の生命が銀河ごと消滅しました。
ミクは神と変わらない法則を広げ宇宙の支配を開始しました。
神となった今、ミクは帰るところもなくもう自分の起源に触れることもできなくなっていました。
最初は悲しんだが、だんだんどうでもよくなりました。
そして不安はなくなり、新たな宇宙の行く末を遠くから眺めるのでした。

ライセンス

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【初音ミク】神殺

この世の生活に憤りを感じていたミクは、神を殺して新たな宇宙を創って神となり宇宙を眺める。

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投稿日:2011/02/25 00:01:32

文字数:977文字

カテゴリ:小説

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