今年の夏に傷をおった。
癒えない傷を。
自ら失われてしまったのだ。
眠る顔をみて、こみ上げてきた感情に応じた涙。
うなだれる、問いかける、多くの人が通り過ぎる。
何もできなかった、自分達は、
悲しみ、苛立ち、情けない、多様な感情が入り乱れ、
その場面を思い起こしては、寝付けない夜を過ごす。
あのとき、つながりあえていたら、、、
そのとき、優しい言葉で支えられていたなら、、、
暗く狭い部屋から解き放てたかもしれない。
だが、もう取り戻せない。
それは、神でさえも、立ち入ることができない領域。
何を考え、どんな時間を過ごしたのだろうか。
問いかけてみては、幾通りかの私なりの答えを導く。
それほど仲良くなれなかった。
けど、直前にはちょっとはなれたような気がして嬉しかった。
大事な、大事なものを残し、旅立ちを迎えた朝。
それはいつもと変わらぬ朝だった。
癒えない傷を負った朝だった。
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