急に訪れた夜に顔が照らされる。
ノートパソコンの光がこれ以上暗闇をひろげるものか、とささやかに反抗してるせい。
ああ、どうやら停電だ。
どうしよう。
考えて、反抗するパソコンの電源を切った。
真っ暗な部屋の中から、そとに向かって飛び出していく。
靴が見えなくて裸足で道路に駆け出した。
真っ暗な世界を今じゃまぶしいくらい照らすのは月。
深夜にあるべき姿。
夜の支配者が返り咲いた。
薄く光る星を従えて。
忘れていた何かを思い出した気分。
片手に握った携帯の光が道路の向こうまで延びる。
世界はこんなに広かったっけ。
走り出したくなった。
あのずっとずっと向こうまで。
どうしてかな、走れば君のところまで行けそうな気がした。
幻想フォールダウン
(世界であなただけを追いかける)
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