テーブル追加 かかし椅子に座り、テーブルに足をかける 狐は立ったままテーブルに手を置いて

かかし「ぜってー原作だ!」
狐「違うね!映像の方がオチに説得力があった!」
カオル(入場しながら)「かかしー!魔女が呼んでたよー!」
かかし「はあ!?」
カオル「今日、かかしが食事当番でしょ。多分それじゃない?」
かかし「ちっ・・知ってたし」
鶏「あ、じゃあ私も」
かかし「てめーはくんな」
鶏「え・・でも・・・」
かかし「お前に手伝わせるとまた魔女がうるせーんだよ。いいから、黙ってそこ座っとけ」(退場しながら)
鶏「え・・あ、はい。すみません」
狐「謝る必要ないって。みんな当番は1人でやってんだから」
鶏「まあ・・・そうなんですけど・・・・いいんですかね?」
カオル「どうして?」
鶏「いえ・・・みなさんがいいと言うなら、良いのですけど」
狐「いいって。たまにはかかしにも働かせなよ」
カオル「狐も随分言うようになったね」
狐「別に。ていうか元から僕はかかしなんて怖くなかったし」
鶏「仲良くなってくれて、嬉しいです」
カオル「そういえば、さっきは何の話してたの?」
狐「ん?」
カオル「原作がどうとか言ってたけど・・」
狐「ああ・・この前やってたドラマだよ。僕はドラマの方のが良いと思ったんだけど、かかしのやつ、見る目ないんだよ」
鶏「かかしさんは原作の方の終わり方を気に入ってたんですよ。ですが、尺の問題なんでしょうね、大分最後が変わってしまってて」
カオル「ああ、よくあるよね。かかしはそれで怒ってたんだ」
鶏「それにしても」(カオルを見て)
カオル「ん?」
鶏「馴染みましたねえ。大分」
カオル「ああ・・なんだかんだでここにずっといるからね。」
狐「その割にはわっかんねーよな」
カオル「何が?」
狐「いや・・君さ、犬にはお嬢呼ばわりされてんじゃん?」
カオル「ああ・・・うん。そうだね」
狐「でも、かかしには坊主って言われてるだろ」
カオル「うん。そうだね」
狐「君って男なの?女なの?」
カオル「え・・・・なんで?」
狐「なんでって普通気になるだろ!!!?」
犬「カオル嬢はれっきとしたお嬢様でございましょう!!」
狐・鶏・カオル「うわああああ!!」
カオル「犬・・いつからそこに?」
狐「どうせまた始めっからいたんだろ?」
犬「そんなことはどうでもよろしゅうございます!!」
かかし「いや、坊主は男だろ」
狐「うわっ!!?かかしまで!!お前、盗み聞きとか趣味わりーから!」
かかし「はあ!?香辛料が切れてたから取りに行くだけだよ。つーか犬!!」
犬「あ、は、はい!!」
かかし「魔女がきれてんぞ。テメー今日の掃除当番さぼってんだろ」
犬「ぅぇ!!?わ、ワタクシでございますか!?」
カオル「あれ?犬、忘れてたの?」
犬「これは弱りましたな。ワタクシ、今からちょっと行って参ります!」
鶏「お気をつけてー!」
狐「あーあー、みんな弛んでるねー」
かかし「こいつの性別を今更聞いてるお前にだけは言われたくねー言葉だな」
狐「だって、わっかんないじゃん!」
鶏「そういえば、どちらなんです?」
カオル「え・・そんなに気になること?」
かかし「まあ・・・・なあ・・」
犬「カオル嬢はれっきとしたお嬢様でしょう」
鶏「ふぁ!!?」
狐「だから!!お前はさ、その聞き耳ぐせどうにかしろよ!!」
犬「別に、掃除用具を取りに来ただけでしょうに」
魔女「ああー!!!また、こんなところでサボってる!!!かかし!!オレガノ取りに行ったんじゃなかったの!?」
かかし「今行くとこだっつーの」
魔女「なら、とっとと行きなよ!犬!掃除当番忘れてるでしょ!」
犬「今向かうところでございます!!」
魔女「もう!!ご飯までには終わらせときなね!」
犬「はいはいお嬢様、わかりましたからもっとお淑やかになさってはどうなんですかね」
魔女「犬、何か文句でも?」
犬「いえ文句などとてもとても。魔女嬢はいつでもただしゅうございますよ。では、ワタクシはお掃除に行ってまいります」
魔女「全くもう!」
カオル「魔女も大変だね」
魔女「まあね。でも・・大分マシにはなってるんだけどね」
カオル「そうなの?」
鶏「そうですね。みなさんでこんなに仲良くなれる日が来るなんて思ってませんでした」
魔女「前は・・なんていうか、もっとピリピリしてたんだよ」
狐「だよなー。かかしはこえーし、鶏はそれについてくだけだし、」
鶏「すみません・・。」
魔女「狐、いくら本当の事でも言っていいことと、悪いことってあるんじゃない?」
鶏「魔女さん・・それ、トドメです・・。」
魔女「え?あ、ごめん。失礼だったね」
狐「魔女はこの調子で、人の神経逆撫でするだろー」
魔女「嘘吐きに言われたくないなあ」
狐「ま、でも一番の問題児は犬だったけどな」
魔女「・・・まあ・・ねえ」
カオル「何か、あったの?」
鶏「いえ・・何かあったという程ではないんですけど・・」
狐「あいつ、欲張りなんだよ。なんでもかんでも自分のものだって言い張って」
カオル「自分の物って・・どういうこと?」
狐「ここ全部の部屋とか、食堂にある食材だとか、ベッドまで全部。自分に許可とってから使えとか抜かしてさー」
カオル「な・・なんでそんなこと・・?」
鶏「ここに最初に落ちてきたのは、犬さんなんですよ」
魔女「そ。私だって何度も注意したんだけどね、それなら、食事も取らず、トイレにも行かず、こちらの部屋で寝具も無しに寝ればよろしいとか言い出して・・・。」
狐「挙げ句の果てには、僕たちまで自分のもの扱いしてさー。もう、ほんっとやりたい放題!」
鶏「まあ・・・・かかしさんが来てから大分納まりましたけどね。」
カオル「あ、そうなんだ」
狐「あー、かかしがぶちぎれて、しばらく犬がハブにされたんだよな。キングかかし!って感じになって・・」
魔女「もう、あれはどっちもどっちだよ」
鶏「結局、魔女さんが話し合いの席を設けて、犬さんもかかしさんも私たちもみんな同等に接しなさいって言って落ち着いたんでしたっけ」
カオル「かかしが魔女の言うことは聞くのは、もしかしてそのせい?」
狐「だろうな。手を出すのは馬鹿なガキが自分の言ってることは間違ってますって潔く認められないからやることだ、なんて言われてそのまま口でこてんぱんだもんな。かかしも魔女とやりあう気にはならないんだろ」
鶏「あの時のかかしさんの荒れ様はすごかったですからねえ」
狐「でも、あの時の名残っつったら、犬の聞き耳癖もそうだろ」
鶏「そういえば・・その時くらいからでしたね。犬さんが堂々と話に参加されなくなったのは」
狐「こえーんだろ。話しかけてもシカトされるんじゃないかって。そのくせ、まだ僕たちのこと、機会があれば自分の傘下につけとか言うんだぜ?ちっとは懲りろっつーの」
魔女「そんなことさせないから、安心してよ」
カオル「・・じゃあ、鶏と契りを結びたがってたのって、それが理由?」
狐「じゃねーの?」
魔女「多分、そうすればかかしに勝てるとでも思ってるのよ。ホント、ばっかじゃないの」
鶏「勝ち負けというか・・本当に単純に、仲良くしたかったんじゃないでしょうか」
カオル「でも、それなら契りなんて結ばなくても、友達になればいいのに」
魔女「友達だよ。みんなちゃんと友達」
狐「安心したかったんじゃねーの?ただの友達だと簡単に裏切られるかもしれないけど、自分の物にしちゃえばそんなことはないはずだーみたいな」
カオル「安心・・・・?」
魔女「ふーん。なんか・・歪んでる。そんなの変だよ」
カオル「安心・・もあるかもしれないけど、単純に羨ましかった・・とかないかな?」
狐「は?誰が?」
カオル「かかしが」
鶏「かかしさんが・・ですか?」
カオル「うん・・だから、鶏を欲しがったんじゃないかな。・・その・・そうすれば、自分もかかしみたいに、堂々としてられるようになれるんじゃないかって・・」
魔女「馬鹿じゃないの?そんなの」
カオル「だから・・だからその・・」(狐を見る)
狐「・・・・・・なんだよ」
カオル「嘘を・・」
狐「なんだよっ!今更、何かいいてーことでもあんのかよ!」
カオル「え・・ちがっ・・だから・・あの・・」
鶏「どうしました?」
カオル「(鶏を見る)そう・・怖かったんだ」
魔女「何が?ねえ、どうしたの?」
カオル「え・・・・違う・・・だから・・その」
かかし「おいっ!メシにすんぞ!!とっとと食堂にきやがれ!」
犬「掃除は終わりましたぞ。これでよろしいですかな?魔女嬢」
カオル「そうだ・・それで・・・・良い気になって」
魔女「いちいち私にことわらなくたっていいでしょ。ちょうどご飯が出来たってさ。いこ?」
かかし「はぁ?テメー、俺に何か文句でもあるってのか!!?」(カオルに)
魔女「かかし、何すごんでんのよ!ご飯できたんじゃないの!?」
カオル「やだ・・やだ違う・・わた・・・私じゃ・・私じゃない!!」
魔女「カオル?」
カオル「違うの!!!」(幕に行こうとする、行き止まりになっているように、後ずさる。光が差してくるのを見つめる)

上手上方から光が差す

魔女「みんなのこと、よくわかったんだね?カオル」
カオル「・・・・・・」
魔女「出口はもう、見えてるかな?」
カオル「・・・・・・」(静かに魔女に振り返る)
魔女「質問」
カオル「・・・・・・」
魔女「あなたはだれ?」
カオル「私は・・狐。私は犬。私は鶏。私はかかし」
魔女「おめでとう。正解だよ。これで帰れるね」
カオル「・・・・・・・」
魔女「行かないの?」
カオル「・・・・・・・」
魔女「もう帰れるよ。帰りたがってたんじゃないの?」
カオル「・・・・・・・」
魔女「ねえ、カオル?」
カオル「帰らない」
魔女「・・・いいの?」
カオル「私は・・ずっとここにいる」
魔女「でも、あなたはこんなところにいていいの?」
カオル「いいの!」
魔女「あなたの居場所はここじゃないはずだよ」
カオル「居場所なんて・・・・あっちの方がない」
魔女「どうして?」
カオル「・・・・・・・」
魔女「居場所が無いなんて、そんなことないはずだよ。きっと、あなたの帰りをみんな待ってるよ」
カオル「待ってるわけないよ」
魔女「どうして、そんなこと言うの?」
カオル「だって・・・」
魔女「そんなこと、軽々しく言うもんじゃないよ」
カオル「待ってるわけないもん!」
魔女「どうして?」
カオル「だって・・・・・だって・・私は、私の親友を・・」
魔女「うん」
カオル「殺したんだもん」(光が消える)
魔女「親友を・・・・殺したの?」
カオル「・・・・・・・・」
魔女「私、カオルがそんな人だとは思わなかった」(立ち去る)
カオル「・・・・・・・・」
狐「言ったろ。魔女は間違ったものが嫌いなんだって。自分はいつも正しくいられるから、間違ったものを理解できない。あいつの正しさはいつだって一面的過ぎるんだ。だから、カオルは気にし」(カオルに近寄りながら)
カオル「うるさいよ。嘘つき」
狐「・・・・・そうだよ。僕は嘘吐きだ。だから、僕の言葉を聞くか聞かないかはカオル次第だよ」(立ち去る)
かかし「気にすんなよ。いいじゃねーか、魔女と狐なんて捨て置け。なんだったら俺がおまえの面倒を」
カオル「うるさい、傲慢」
かかし「・・・・・チッ」(立ち去る)
鶏「あ・・あの・・そういう言い方は」
かかし「弱虫は黙ってて」
鶏「・・・すいません」(不機嫌そうに言い残し、かかしの後を追って立ち去る)
犬「わかります。わかりますぞ。あなたのお気持ちは!!ですから、ワタクシがカオル嬢の身元を引き受けましょうぞ!そうです!そうすれば魔女どころか」
カオル「うるさいなぁ!欲張り!!!」
犬「そうですな。ワタクシはいささか欲が深い。あれもこれもと欲しがってしまうのは悪い癖です。ですが、一つだけ心に刻んでおくと良いでしょう。ワタクシたちは、皆あなた自身なのだということを」(立ち去る)
カオル「・・・・・・(皆が立ち去った後)だから・・・だから嫌いなんだよ」

暗転

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

あなたはだれ 3-1

カオル、ヤンデレ疑惑

ちなみにオレガノとはしそ科の多年草植物です。和名は花薄荷。清涼感と独特の苦味があるそうです。
薄荷みたいな感じかなーと思って入れてみたり。。

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閲覧数:71

投稿日:2011/04/18 06:57:58

文字数:4,993文字

カテゴリ:その他

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