「さーて、「いよいよ「「パフェ作り対決の時間がやって来ましたわー!!」」
少々長い言葉でも全くズレのなく、同じ口調で、息のピッタリコンビのムウとフワが宣言した。
「司会は、私ムウと「フワの「「2人ですー!!」」
「なんか華やかですね・・・」
影が薄いことに定評のあるミドリは、司会の2人を見て、眩しそうに言った。
「いいじゃないですか、楽しいですから♪」
そんなミドリに、紫苑は瞳を輝かせながら言う。
「「私たち2人が解説を主にしますが、今回は人が大勢参加しているので、・・・・・・」」
黙り込むタイミングも一緒という、神業に指定されそうな技を繰り出すムウとフワ。
「「・・・先に、対決してもらう方を紹介しましょー!!」」
「お前ら、考えてなかったのかよ」
アカイトが思わず呟く。
「まずは、アカイトと、・・・愛斗さん、のお2人が、「バンさんのために、それぞれパフェを作ってもらいます~!」
「あーら、いいわよぉ?それでバンちゃんが喜ぶのなら・・・あたし、がんばるわぁ」
名前を呼ばれて、目を光らせる愛斗。
「・・・1つ言っていいか、ムウ」
「大丈夫、婚約者だってことは伏せておきます」
「違う、そうじゃなくて」
ビシッと言うムウに、アカイトは首を振り、
「何で、俺だけ呼び捨てなんだよ」
「・・・だって、私とフワにとって図星なこと言うので、つい仕返ししたくなって☆」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
茶目っ気たくさんで言うムウに、アカイトは完全無視した。
「続いては、ミドリさんと・・・・」
ムウはそこまで言って、手に持っている紙に目を落とし、・・・そのまま固まる。
「・・・どうしました、ムウさんやー?」
フワはすかさず、相方のフリーズをフォローしようと、相方の手にある紙を見た。
「・・・ええっと、ミドリさんと、・・・レトさん!このお2人は、ジミさんのためにそれぞれパフェを作ってもらいます!」
「「これぞ、好きな人を巡る本気の争いよね!!」」
ムウとナエルが嬉しそうに言って、はしゃぐ。
「これは、皆さん大注目ですよー、ナエルさんやー」
「私的には、どっちも応援するよね!ムウさんやー」
「そこは、ムウさんやー、ではなくて、ムウさんよー、ですよ、ナエルさんやー」
「そうなんですかー、ムウさんよ、よね!」
「・・・・お2人は、放っておきましょうか♪」
フワは無邪気に言って、止まっていた進行を進める。
「・・・・さて、次に対決してもらう人は、」
紙に目を落とすフワ。
「モコさんと、バンさんのお2人が、それぞれアカイトさんのために、パフェを作ってもらいます~♪」
「・・・えっ?」
「・・・はっ?」
モコとアカイトが、疑問詞でハモる。
「さて、続いては・・・」
そんなモコとアカイトに構わずに、紙に目を落とすフワ。
「ダッツとにゃーさんのお2人が、リアさんのために、それぞれパフェを作ってもらいます~♪♪」
「これで勝てば、どっちがいいのか白黒つく訳か!」
「・・・ダッツさんには負けたくないなー、俺」
「リアにゃーんだけ、ずーるーいー!私も食べたーいー!!うー!!」
「じゃあ、ウサちゃんも食べよっか」
「うわーい!うー!」
リアの優しい言葉に、喜ぶウサ。
「「・・・以上で、主な対決はそれだけです~♪ 他のみなさんの中で、お菓子作りをして下さる方は、たーくさん作って下さ~い!!」」
ナエルと意気投合していたムウは、いつの間にか司会者に復帰してフワと叫ぶ。
「・・・俺たちは、どうするんだ?」
「「選手の方は、こちらへ」」
ムウとフワは、完璧なお揃いで、台所の方を示す。
「あれ?・・・確か、アカイトって選手でもあるけど、同時に食べる審査員でもあるよね?そういう場合って、どうするの?」
マスターが、司会者2人に指摘する。
「やめて下さい、マスター。普段だったら別にいいんですけど、今回ばかりは、しゃしゃり出ちゃだめですよ」
「だって、気になる・・・」
カイトに引きずられながら、マスターはぼやく。それでもカイトの手を振り解かないのは、それなりにカイトのことが好きだからか、それともただ単にめんどくさいだけか。
「一応、パフェは作ってもらって、審査の時には食べる。・・・と、いっても「モコさんとバンさんが「「作ったものですけど~♪」」
そう司会者2人は言って、台所へと向かったのだった。


「「すいませーん、選手の方々!!ちょ、色々質問されてたので、どうしても遅れましたーー♪」」
「何でそんなに嬉しそうなんだよ」
アカイトは早速突っ込む。
「「すいませーん♪」」
「お前ら・・・」
「あらぁ、アカイト?そんなに怒ってるとぉ、バンちゃんに嫌われちゃうわよぉ~? それでも、いいの?」
「・・・馴れ馴れしくバンのこと呼ぶな」
水を差す愛斗を睨むアカイト。
「だってぇ、あたしが絡まれてる時に、バンちゃん、助けてくれたのよぉ? その時のバンちゃんってば、もう! ・・・・かっこよかったわぁー!!」
このまま溶けてしまいそうな程、デレまくる愛斗。
「それは絶対、気のせいだ」
睨みを更に効かせながら、冷たく否定するアカイト。
「「はいはい、ドロドロ喧嘩はおやめなさい」」
腕を振って、制止する司会者2名。
「ほんとは修羅場好きなんけど、時間が・・・」
苦笑いでジミが、控えめに言い訳する。
「「それでは、説明させてもらいます~♪♪」」
相変わらず、ハモるのが上手な司会者のお2人。
「まずは、目の前の材料に、注目下さい!」
ムウは爽やかに言った。
「今回は、この材料となる料理を組み合わせて、パフェを作ってもらいます~♪」
続いてフワも、爽やかに言った。
「へぇ・・・もしも、これ全部使い切ってもいいのか?」
「それは、組み合わせ次第です「「おいしければ、それでいい!!」」
「・・・なんか、隙あらば来るよな、2人技」
「その内、3人技とかミックス技とか登場するかも!うー!・・・楽しければ「「「それでいい!!」」」うー!」
「分かったから一旦、合わせ技はやめようか」
アカイトは若干呆れ果てて、ため息をつきながら言った。
「じゃあ、今から早速作っていいんですか?」
またもや、ジミが控えめに言い訳・・・では無く意見を言う。
「「このパフェ用のお皿・・・グラスに盛り付けて下さいね!!・・・それでは、今からきっかり1時間!スタート!!」」
そう言うと、司会者2人は何故か台所から出て行った。
「・・・よし、とりあえずパフェを作らないことには話にならないからな」
アカイトの言葉に、固まっていた時間は再び動き出した。
「しかし、この材料って、何種類あるんだろう・・・」
にゃーさんは、目の前にある大量の材料となるお菓子料理を眺めて、ため息をついた。
「数えてみよー!ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、いつ、むぅ、なな、やぁ、ここのつ、とぉ・・・・・目がぐーるぐるするよー、ふーらふら」
ウサは無謀にも数え上げようとしたが、10を過ぎた辺りから、目を回し始めた。
「ちょ、ウサ大丈夫か?レモネード飲むか?」
そんなウサを心配するラクは、台所にある冷蔵庫からレモネードが入ったコップを取り出し、ウサに手渡す。
「んぐんぐ・・・レモネードの味は初恋の味、なんてね」
「ちょ、ウサー!?いくら可愛いからって、あのピンク色のダジャレ大好きな犬の物まねしちゃだめだろう!??」
「うー!だって、好きだもん!!うーうー!!」
「ああもう・・・ウサは可愛いんだからなー・・・」
「こんな時にまでデレるのはやめてよ。・・・tっていうか、何でラクまでいるの?」
デレまくるなラクを不思議そうに見るリア。
「そう言うお前だって・・・」
「「・・・・・」」
ラクとリアは、しばらく黙り込んでから、
「さ、行こうかウサ」
「思えば、私たち選手じゃないのよねー・・・。何で、こんなとこにいるんだろう」
「・・・あ、私も」
ジミも呟いて、ラクとウサとリアに続いて、台所から出て行ってしまったのだった。



「はい、こちらは、ただいまパフェを作ってもらっている現場です~♪ 全国のみなさん、見てますかー?」
フワが、カメラに向かってレポートする。
「俺、今から『アリス様寝取りに行こうぜ計画その1』を実行しに行くとこだったのに。ここで何やってるんだろう、俺」
「寝取りに行くんですか、すごいですね」
カメラ役の人が呟いた言葉に、マツキは感心する。
「お、分かってくれそうな人がついに、俺の目の前に・・・」
「分かりますよ、でも相手はいませんし、そんなにロリコンでもないですけど」
「・・・やっぱそう簡単にいないよな、そうだよな」
マツキの言葉に、がっくりと肩を落とすカメラ役の人。
「まーまー、そこのきえちゃえな人なんかよりも、僕の方がいいと思うよー」
そこへ、雨羽がマツキを押し飛ばして、カメラ役の人を励ます。
「あれ? 君たち、双子?」
「不本意ながら」
「へぇー、・・・なんかさっきの人は嫌ってるの? 俺はいいと思うけどなー」
「あんな人、きえちゃえ」
「・・・・だめだよ、そんなこと言っちゃ。あ、もう台所行かないと。・・・また後でな、ええと・・・」
「雨の羽と書いて、あまうと呼びます」
「あ、そうなんだ。・・・じゃあな、雨羽くん」
「ばいばい。・・・あれ?貴方は・・・?」
「ん? 俺? 俺は、そうだな・・・」
カメラ役の人は、にっこり笑みを浮かべて、
「・・・怪盗、とでも呼んでくれ」
「怪盗、だね。分かった、また後でね」
カメラ役の人改め怪盗の名前を繰り返して、雨羽は手を軽く振ったのだった。

「今回のパフェ対決の主なルールは、番組の最初のところで説明したので、「「ここからは、インタビューターイム!!」」
フワとムウは、すっごく嬉しそうにそう叫んで、早速インタビューを開始した。
「・・・まずは、今まで地道にコツコツと盛り付けをしているミドリさんに、話を聞いてみましょー!!」
「今回、ジミさんのためにパフェを作るという訳なんですが、その事に対してどう思いますか?」
「・・・・・滅多に無いチャンスなので、僕にできる範囲で頑張りたいと思います」
ミドリは、少し頬を赤らめてコメントを言った。
「・・・これはもう本物の愛ですねぇ、フワさんや~」
「色んな意味で乙ですよ、ムウさんよ~」
とっても和んだような表情で呟く、ムウとフワ。
「「天敵さんに勝てるように、ぜひとも、ぜ・ひ・と・も、ジミさんを我が物にできるといいですね!!」」
「そんなの、・・・無理」
「「やや、天敵さーん!」」
司会者2人の言葉に返事したレトに、2人は驚くポーズをそろって披露する。
「ジミは、僕のものだから。・・・どうせ勝つのは、絶対僕」
「絶対僕、ですかぁー」
「なんだか絶対値を思い出しますよー」
神妙そうに頷くフワと、的外れな反応をするムウ。
「・・・・・・・・・・」
ミドリは、珍しく不機嫌な表情で盛り付けに集中する。手元を全く狂わせること無く、クリームの上にメロンを載せた。
「これは、かなり本気の対決になりそうな予感がしますー♪」
「乞うご期待!!」
フワとムウは、カメラに向けて言葉を投げる。
「「続いてはー・・・・」」
ハイテンションMCの2人が目をつけたのは、
「「モコさーん!!」」
「は、はい。何でしょう?」
レアチーズケーキを、こっそりつまみ食いしていたモコは、慌てて口元を拭う。
「今回の対決は、・・・少し複雑ですねぇ、切ないです」
「勝てるといいですね♪」
そんなモコに気づかなかったMC2名は、インタビューを展開する。
「あ、はい。・・・そうですね」
「「モコさん、私のお嫁さんになって下さーい!!」」
照れ笑いをして答えるモコに、萌えたハイテンションMCのムウとフワは思わず叫ぶ。
「すいません、女の子は恋愛対象外なんですよ」
少し困った苦笑いをして言うモコ。
「「あら、すいまーせん」」
「・・・ふざけるのもいい加減にしろ。モコが、困ってんだろ?」
「「あら、本命さん、何庇ってるのよ、本命さん」」
「それ、575じゃなくて、696になってるし・・・」
「アカイト」
「何だ、バン・・・って、うわっ!?」
「私は、アカイトのことしか見てないからな・・・。それだけ言いたかったから、・・・・・・」
バンはアカイトに囁いて、離れる。
「・・・・・」
モコは、どこからともなく毒薬を取り出して、アカイト用のパフェグラスに注ごうとする。
「「だーめーの、めっ!!」」
意外と善良MCの2人は、モコから毒薬を取り上げる。
「・・・・・」
モコは毒薬を取り戻そうと、じたばたする。
「「・・・以上、インタビュータイムでしたぁー!!!」」
「全く、アカイトがバンちゃんを1人占めするからよ?」
「アカイトさんはモテますねー。・・・ま、俺ほどじゃないけど」
「にゃーさん、ふざけるな」
インタビューに、全く加われなかった愛斗はため息をつき、にゃーさんは呟き、ダッツはにゃーさんの発言に突っ込んだのだった。

「・・・そういえば、モコ」
「何ですか、私は用無いですけど」
「・・・ルワくんはどうしたんだ?」
「・・・私よりも、ルワくんが気になるんですか。ほんと、私って報われないです」
「いっいや、そうじゃなくて、・・・モコと一緒にいないから、気になっちゃって」
「・・・・・ルワくんなら、みんなといますよ。ちゃんと、言い聞かせてありますし、マニさんもいますから」
「そうなんだ。うん、それならいいんだ、それなら」
「なら、もう私に話しかけるのやめてもらえますか。気が散ります」
「・・・・・・・・・・・・・・・分かった」
1つ頷いて、また持ち場に戻るアカイトを、モコは横目で見送り、
「・・・・」
切なそうな表情で、隠し持っていた毒薬を、静かに、パフェグラスに注ぐ。毒薬は音も無いままに、スポンジとフルーツが交互に入ったトライフルを、ゆっくりと浸していったのだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【亜種コラボ長編・中編】 いよいよパフェ作りとパーティは華やかに

昨日2回も規定文字数を超えてしまったのでカットしまくりあげくの果てにはパソコンがいきなり切れるということもあり、今日やっと投稿できることにほっとしているもごもご犬ですこんにちは!

さて今回はパフェ作りが主になっています!
少しでもおいしそうと思って下されば幸いです><

毎回のことですが、出演亜種のマスターさんには感謝です!^^
これからも、よろしくお願いします♪

ちなみにカットしたシーンはあとで投稿しておきます!
後編も、お楽しみに!!

閲覧数:73

投稿日:2010/08/16 12:54:51

文字数:5,752文字

カテゴリ:小説

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  • わた☆

    わた☆

    ご意見・ご感想

    もごもご犬さんの小説にうちの子いれてくれて逆に感謝するのはこっちです><

    いつも楽しんでみてます^^お菓子おいしそうです♪

    2010/08/17 19:14:20

    • もごもご犬

      もごもご犬

      >わた☆さん

      返事遅くなりすいません!><
      そう言ってもらうと正直嬉しいですよ!
      これからも、楽しんでもらえれば・・・♪

      お菓子とかそういう系の小説は今回のパフェ対決が初めてなので、おいしそうと思っていただけて良かったです!
      後編も、お楽しみに!^^

      2010/08/20 09:30:34

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