※警告という名の諸注意、やっちゃったよセルフパロ

・帯人×女性マスター(篠武)
・カイトは出てきません
・妄想による世界観、しかも本家よりダーク。
・オリキャラ満載(オリキャラは名前・設定ともにシャングリラと同じ・若干性格は変わっている場合もあり)
・帯人はアンドロイド・機械的な扱い、表現を含む
・女性マスターの一人称が『オレ』

※ここ大事※
 多分いないとは思いますが…万が一、本家シャングリラを少しでも気に入ってくださっている方がおりましたら、今すぐ全力で引き返してください!本家シャングリラとは一切関係ありません。悪いのは全面的に私ですorz

恐らくツッコミ処満載ですが、エンターテーメントとして軽く流して楽しんで頂けると幸いです

上記が許せる方は、自己責任で本編へどうぞ




☆☆☆☆☆☆☆



※流血を仄めかす表現アリ



7.

SIED・???


どうして我慢しなくちゃいけないの?どうしてぼくは苦しまなくちゃいけないの?どうしてここにいるの?この人たちはぼくに何を望んでいるの?いつまで続くの?嫌だよ、嫌だよ、もう嫌だよ!


(あー…この壁の向こうには、何があるのかな…、)


今日も辛い時間を過ごして、ぼんやりと目の前の白い壁を見つめていた時、ふと…ぼくは気づいてしまった。

ぼくの中に飛び交う膨大な情報の欠片が、まるでパズルのピースのようにぴたりと組み合わさって、導き出された一つの答え。



あの壁の向こうに、行く方法を。



(…なんだ、簡単なことじゃないか、)


僕はゆっくりと起き上がると、まだ片付けられていない傍らの医療器具に手を伸ばした。




8.

SIED・KANA


「約一か月前…、ね、」


一体いつから、あの泥棒ネコは仕事をしていたのか…巧妙に消された痕跡を辿っていくと、ちょうどその頃に行きついた。

こちらに気付かせないように、よくもまぁ長期間やってくれたわねぇ。いっそ感心するわ。

でも、最高峰のプロジェクトチームが組み上げた膨大なデータを現実に構築するには、一か月は短すぎる。
実際、これから製造に着手するところだった彼のチームも、完成までの期間を半年と設定していた。



「もし、完成を焦るあまり、必要なプロセスを省略すれば…、」



出来上がるのは『欠陥品』ね。



「…そんなモノから得る結果で、何ができるというのかしら、」

彼奴らは別に『VOCALOID』が欲しいわけじゃない。アンドロイドの稼働記録データと生産技術が欲しいのだろう。
今、この国の人口減少は著しい。世間からは新しい労働力として、各種ロボットやアンドロイドの研究が着目され、各企業や団体が血眼になって開発に競合している。


「でも、そこから生み出されるであろう莫大な利益に目が眩んで、うちの研究所に手を出したのが運の尽きね、」

私は手元の資料に書かれている、昔からよく知った企業の名前をそっと指でなぞった。




9.

SIED・???


この通路はどこまで続いているんだろう…?真っ白い壁に囲まれた、長い長い道を歩きながら何気なく足元を見る。

裸足でペタペタと音を立てるぼくの歩みとともに、真っ赤な足跡がたった今きた道に残っていた。

一歩、また一歩と残されるそれに、なんだかとても楽しくなってくる。
たまに髪から滴る冷たい滴が目に入って痛いけど、ぼくは拭いもせずに軽やかに歩いて行った。




10.

SIED・SINOBU


「雨、止まないな…、」

「そうだね、」

緩やかな山道の中、正隆さんの運転する車で目的地へと向かう。

もうすでに真夜中だってのに、まだまだ雨が止む気配はない。

これから行く場所は、とある企業所有の研究施設だ。郊外にあるそこは、なかなかの広さと設備を兼ね備えている。


「…大したことないね、うちの敷地面積のが、この何倍も広いし、建物や設備や人材だって世界有数の…、」

「張り合ってんじゃねーよ、」

なんだか少し、正隆さんが拗ねている。彼の中では弱小の部類(実際はなかなかの大手だけど)に入る企業のスパイなんぞに、根こそぎやられたのが相当悔しいんだろうなぁ。

まぁ、気持ちは少しわかるけど。

オレは人工林に霞む雨の膜を見ながら、助手席で同じ体勢に痛む身体を僅かにずらした。



と、その瞬間。



先を照らすヘッドライトに人影が映し出され、オレは思わず大声を上げた。



「ブレーキ!!!!!」


「うわぁっ!!!???」


キキキキキキキキキキキキキッッッッッ!!!!!!!


狂人の悲鳴にも似た大きな摩擦音が劈き、濡れた路面でスリップした車体に振り回されながらも、何とかどこにもぶつからず止まることができたらしい…。

安全運転とシートベルトって、大事なんだな。当たり前だけど。



「…ひ、轢いた…?」

「いや、衝撃はなかったから多分大丈夫、じゃないかと思うけど、」

ハンドルにしがみついて青褪めている正隆さんはとりあえず放っておいて、オレは車から降りると急いで辺りを見回した。
万が一、怪我でもさせてしまっていたら大変だ。



「………いた!大丈夫ですか!?」

少し離れたところに倒れている影を見つけ、慌てて駆け寄ると、オレはその身体を確かめる。降りしきる雨と夜の帳に、視界が利かない。

目を閉じ、死んだように横たわる男を前に、オレは震える手で携帯を取り出すと、加奈さんに助けを求めるべく電話を掛けた。



続く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

※亜種注意※Lost.Eden//叶わなかったシャングリラ【帯マス】第三話

短編で終わらせるはずが、着地点が見えない…orz
まさか、また長引く…の、か…?

閲覧数:44

投稿日:2016/09/18 02:13:22

文字数:2,292文字

カテゴリ:小説

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