……ようこそ。
えっ、タイトル詐欺だろ、って? さっさと続きを見せろ、だと?
まあまあ、慌てる気持ちはわかります。ですがね、説明しておかなくちゃいけないんですよ。
これから始まる最終話は、“望まれるパターン”ではありません。何言ってるかって? 脚本が破綻したからですよ。猶予もなかったんでしょ、詳しいことはよく分かんないけどね。
……ま、見てくれればわかりますよ。……ね?
≪Bad ∞ End ∞ Night No.06【自己解釈】≫
村娘が手にもってたのはナイフだった。
「ま、待て……話せば解る!」
村娘が向かったのは、主人。主人はそのマフラーに似合う青ざめた顔で、死亡フラグを乱立させた。
ざしゅっ!!
見事なほどに、主人の首が吹き飛んだ。
それをけたけた、壊れたように笑う村娘。
村娘は主人の髑髏を持ち、言った。
「楽しくなって来ちゃった。……ねえ、みんなヤっちゃっていいよね?」
*
逃げろ! 逃げろ! と少女人形の言葉が号砲となって、全員はいちもくさんに逃げ出していった。もはや、舞台も台詞も関係ない。
村娘は。これを決心したのだ。
『気が狂うほどに、壊してしまえばいいんだ』
*
物語が終われば、さあ――みんなで帰りましょう。
楽しんでいる主人。
どんちゃん騒ぎは終わることはないだろう。
――彼らは、目を背けているのだ。
もう、死んでいることに。
≪Bad ∞ End≫
……とでも、思ったのかい。
面白い舞台だったよ。だけど落ちがちょっと曖昧過ぎないか。つまりどういうことなんだ。
ああ――そういうことね。もともと死んでたんだけど、村娘が魂を解放したと……。なんだそのシナリオ、呆れて物も言えない。たしか、村娘は脚本を変えろって言ってたよね。そりゃ、ああなるわ。
じゃ、巻き戻しておいてよ。別のパターンだって、きっとあるはずじゃん?
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≪Bad ∞ End ∞ Night No.06【自己解釈】≫
「なんで、あなたがやったの?!」
「……ねえ、この演劇のタイトル、知ってる?」
「……知ってるわよ。Crazy nighTよ」
「なら、わかんじゃない? ……その通りに演じればいいのよ。馬鹿になっちゃえばいいのよ」
そう言ってお嬢様の身体を一閃した。
ざしゅっ。
鮮血が、笑う村娘の顔に飛び散る。
そうよ! もっと壊れればいいのよ!!
村娘は――逃げ惑う、キャストをすべて殺し尽くした。
*
「……これで、終わり……じゃないの……」
村娘の身体は人を殺し尽くし、鮮血に染まっていた。当たりには言わずもがな、もう動かないキャストの体が倒れていた。
「台本通りやったことが……それが真実とは限らないの……?」
気付くと、村娘は、部屋にいた。
そこには、少女人形たちが笑っていた。
「モウ、幕ハサガッタ.時間切レダヨ?」
「待って…… とめないで!」
別にいいじゃない。
また、今夜会いましょう。
そして、また狂いましょう?
また、今夜探せばいい。
そのエンドロールが褪せるまで……
≪True ∞ End≫
ってなわけでどうよ。パターンB。
えっ、ダメ? 結構いいと思うんだけどなあ。まあ、いっか。もう一回やらせる? そうしちゃおうか。
<|<| FF
村の娘は、夜遅くに山道を歩いていた。
森は鬱蒼と生い茂っていて、迷うことは明白だった。
……というかすでに迷っているのだが。
「……う~ん、確かこの辺ってことは解ってるんだけどなあ」
村娘は色あせた手紙を持っていた。
朝起きたら自分が何故か持っていて、何故かこの森を歩いていたというのだ。まったく解らないことずくしである。
そして、彼女は森を抜けた――。
「……ここは?」
そこにあったのは大きな洋館だった。
烏が鳴いていて、それがこの洋館の不気味っぷりをさらに加味していた。
村娘は、決意して、扉を叩いた。
「誰かいませんか」
≪Happy ∞ End……?≫
Bad ∞ End ∞ Night No.06【自己解釈】
一応、終わりました。
「Crazy ∞ nighT」:http://www.nicovideo.jp/watch/sm18382294
「Bad ∞ End ∞ Night」:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16702635
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