歌姫戦士ボカロボット第4話

ユア視点

私達はお父様の遺言どおり、地球に向かって居る途中でした。
そして、青い星、地球が見えてきました

「お姉さま!もうそろそろ、地球に着きます!」

「はい、そうですね。着陸準備を進めて下さい」

「はい」

もうそろそろ、着くのですね。私の生まれた故郷に。

地球、ミク視点

「あ、ミリさん、セリさん。ユアさん達がもうそろそろ帰って来るみたいですよ」

私、初音ミクの目の前に居るのは、ユアさんの母、ミリ・ルシア・ドリームとミリさんの妹、セリ・ミシア・ドリームが居る。

「もう…そんな時なのね。姉様。あの御方は…亡くなられたのですね」

そう、ユアさんが、地球に帰って来るという事はあの人が亡くなった、という事となる。

「…あの人の遺言によって、彼女達は地球へ来る。セリの言う通りね。まったく、それは何によって決められた運命なのかしら?」

運命…。もしかしたら、あの人が亡くなるのも、防げるような道もあったかもしれない。でも、現実に亡くなられてしまったのだから、これは運命以外の何事でもない。

「姉様、『予言の姫』を出迎える準備は」

「万端よ」

『予言の姫』それは、ユアさんの事である。
私にもその意味は知らされてない。でもいつか知る事になるだろう。

「亜種部隊の方は、どんな感じですか?」

「亜種達も、元気よ、でも、中には正規に会わせてはいけない子もいるから、ミク達と会うのは、無理ね」

「そう、ですか」

そして、私達のところへ信号がとどいた。
ユアさん達からの信号だ。

「あ、もうすぐ、着陸してきます」

「久しぶりの、再会ね」

「ええ」

これから起こる事は、まだ、たった12歳のユアさんには、苦しい運命かもしれないけれど。
でも、ユアさんはもうみているんだ…。目の前で父親を失っているんだ…。

ユア視点

そして、私達は地球へ降りてきました。
「ユアさん!」

一番に来たのは、ミク、リン、レン、次に来たのが、お母様、セリさんでした。

「久しぶりです。あと、ただいま…お母様」

「ええ、お帰り。ユア、いきなりで悪いけれどまた、彼女によって亜種が生まれてしまったのよ…」

お母様は、悲しそうな顔でそういいました。

「また、ですか」

彼女、というのは、執念深く正規ボーカロイドを量産しようとしている女性です。
でも、彼女は今までに正規ボーカロイドのレプリカを作ることに成功した事がありません。
それはこちら側も同じでした。

「で、その子を、ユアにあわせてあげたいの、少し、付き合ってくれる?」

「はい、喜んで」

実験室、其処にあるショーケースの中には一人の少女が眠っていました。

長く黒い、綺麗な髪に、胸元に光る、綺麗な青い石。
瞳の色は見えないけれども、きっと綺麗な色なのでしょう。

「この子は、誰の亜種ですか?」

私は、お母様に聞いてみました。

「鏡音なの」

「鏡音・・・・って、この子、一人ですが」

私は、お母様の言葉に驚愕しました。
鏡音というのは、本来双子の筈…なのに、この子は一人だった。
双子なのに一人ぼっち、ということに何故か親近感が沸いてしまったのですが、今はそれを考えてる場合ではありませんでした。

「ええ、一人になったの。厳密的には、彼女の作った影と、もう一つの人格もあるけれど、もう一つの鏡である、彼がいないの。まだ、完全に見つからないわけではないけれども」

「そう、一人になって、寂しくて、影を作ってしまったのね」

「もうそろそろ、彼女は目覚める。で、ユア、貴方に名前をつけてほしいの」

「名前を?」

「ええ、そうよ」

「この子の、名前」

黒くて綺麗な…。
この子に、幸せになって欲しい…。
この子の声、聞いてみたい…。


『幸せのおとずれ』






―この子の、名前は―



続く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

歌姫戦士ボカロボット第4話

今回お借りした亜種出せなくてすみませんでした。
博士とか、キリアちゃんとかも、だしたかったのに。
遂に過去編ララ登場です。
でも、過去のララにはとある物が無くて・・・・・。
続きは次回!

2013/4/2
書き直ししました

閲覧数:63

投稿日:2013/04/02 18:54:14

文字数:1,615文字

カテゴリ:小説

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