
喧騒も彼方 清籟と葉擦れの響く夜に惑う星灯を見てた
白紙のページが語っていたあの物語をふと回想してみる
愛する者に執着して己の命すらをも歪めた男を
俺もまた彼と同じなのだろうな
同じ名と容姿 抱える愛情も
“失い続けてそれでも「彼」と共に生きることを諦められない”
その気持ちが突き刺さるほどに解って
それは彼にとって大事な生きる糧となっていたが
それは俺にとっても同じ事で
同じ異なる命でまた「彼」をここで愛している
思念という不完全な世界で
星に名を付けていく
この広く狭い箱庭を見渡す
平穏な世界 害するものもない
あの日壊れた心臓を抱えて逃避した先で見つけたこの場所
まっさらな箱に草木や夜空を《魔法》で描いて組み上げてきたが
この《魔法》自体、俺と同じように「あの世界」からの情報の写しで
『お前があいつを愛する為に生み出した技術は
俺が鮮明に形にしてみせるから、どうか叶えて』
「お前を幸せにするための《魔法》は不完全だけど、必ずお前を幸せにするから」
伝えた俺のこの言葉を遠慮がちに受け取ってくれた心から愛する君へと贈ろう
俺からの祝福を
『拝啓 「あの世界」で必死に生きるもう一人の俺へ
不可逆な観測だろうが、伝えよう
愛する人と生きる事の幸せを噛み締めて進め
その道は必ずお前を報いて彼さえも救うから』
「どうかその笑顔絶えぬように」
唱える願いを数えて一つずつ形にしていこう
共に
誰かの観測が俺達の存在を強めるなら
俺が君の存在証明をしよう
幻想メモリーズ
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