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201*年7月25日午前9時。
未来は少し前に職場へと向かった。
話し合ってその答えを出した、理由は色々とあるけれど決め手になったのは未来の強い希望だった。
少女になってしまったのは親父や未来だけじゃない…もしものことを考えて、3人がばらばらになる前に合い言葉をきめておいた。
山と問われたら川と答える、みたいな。
それに自分たちはひねりをくわえた。
山と問われたら好きな食べものを答えるのだ、親父はあたりめで未来はカツカレー、俺は…コロッケだ。
未来が仕事に向かう時にいつもとは違いアパートの前の通りまで出て見送った。
未来は涼しげなライトグレーのスーツに着替えていた、もちろんサイズが体に合っていなくてスカートの裾が膝よりかなり下のほうまできていたが。
靴は普段のものとは違いスニーカーを履いていた、アッパーに黒い革を使った。
別れ際、未来は着ていた白色の長袖シャツの袖をまくり、右の前腕の内側にフェルトペンで描かれた自分の名前を見せながら『山王未来さまだぜ』と言ってニッと笑っていた。
今は部屋には俺だけだ、親父も今後のことを考えて色々とすることがあるらしく、未来を見送ったあとで出掛けていった。
買い物などなら手伝うと言ったのだが、仕事に行けと言われた。
見た目も声も少女の親父からそう言われると不思議な感じがした。
非常事態のはずなのに2人はマイペースといった感じだ。
少女に変わっていない俺よりも、きっともっと動揺しているはずなのに。
1日くらい様子をみてもよさそうなものだが。
いつもより早いが部屋を出ることにする、働いている飲食店に行く前に公衆電話に寄るために。
携帯電話は通じないし、インターネット電話サービスを使っても一般の電話には繋がらなかったからだ。
ただ公衆電話が使えたとしても、一般の人達が使う電話に繋がるとは思えなかった。
この異常な事態で電話が集中し、全国的な規模で規制が入った可能性があるからだ。
それでも確認の意味もこめて公衆電話を使ってみようと思った。
親父も公衆電話から実家などに連絡をいれてみるとは言っていたが。
【小説】俺と70億の鏡音リンちゃんと激しく降りそそぐ流星群(15)
ある日、突然、世界中の99.9999%の人間が少女(鏡音リンちゃん)になってしまった。
姿も声もDNAも全て同じ、違うのはそれぞれが持つ記憶だけ。
混乱に陥る人間社会の中で、姿が変わらなかった数少ない人間の1人・佐藤悟は…というお話。
なお、携帯電話で見ることを前提としているので、独特の文体で書いています。
・文の終わりに改行。
・段落ごとに一行空ける。
そのため、段落の一字下げなどは省いています。
見難くなっていたら、すいません。
意見があれば見直します。
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