ジャケット

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氷鬼

ちょっと怖い話。
vo:巡音ルカ


誰一人知らぬ片羽の氷売り
「物言わぬが花」と独り呟いた。

目の前を横切る黒い衣と笛の音。
(ほうれほうれきをつけなさいなつかまるぞ)
気を抜けばいつの間にやら惹きこまれ
首筋をつたう青い死線の影。
 
 ―くるくる来ル繰ル狂頭ノ中ラ空殻伽藍壊れる―

帰らぬ人、六つ仇花 
数え歌が途切れたら
氷売りは人目を避け
鬼の居ぬ間に笑います。


誰もが怖れる隻眼の赤鬼
「物言わぬは端」と独り嘯いた。

目の前に広がる黒い羽と裂けた声。
(ほうらほうらしらぬでなさけはとおらぬぞ)
気がつけば右目に差し込む西陽と
喉元を薙いだ赤い死線の糸。

 ―くらくら九ラ苦ラ眩闇世ノ中ナカナカナカ鳴り響く―

帰らぬ人、八つ伽那久羅
数え歌が途切れたら
哭いた赤鬼、人なる人
折り花重ね供えます。


蝉時雨 鳴り止んで
耳鳴り遠ざかると
折られた花は首をかしげ眠った。 
冷たいその身は暗がりの中で
行く先も知らず俯いて
最後に聞こえた赤鬼の言葉
「オマエモコオラセテヤロウカ」

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投稿日:2012/07/01 02:43:24

長さ:04:45

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カテゴリ:音楽

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