神様、
がいたら今あたしはこんなになってない、か
【気まぐれ小説・いち】
「何て顔してんの」
「うるさいよ」
大体誰のせいだと思ってんですかあんた。
あたしの普通レベル(だと自分では思う)の顔がこんなにも醜く歪むのは一体誰のせいだと。
「何かあった?」
「何かあったね」
「だから何があったんよ?」
「うるさいよ」
あーもう、分かってる分かってるんだけどねどーしても言うことを聞いてくれないのよ心臓が。
(チクチク)
痛むのが。
既にイライラしてるんだから止めてよねホント。
「うざい」
「おまっ…!酷ぇよそれ!」
「あ、何が?」
「うざい、って」
「え?…言ってないよ」
「いや言ったじゃん」
「言ってないって」
「言った」
「うるさいよ」
傾いた太陽がオレンジの光線をあたし達に浴びせるから、だ。
(ま、気付いてるけどさ、)
「…何と無くいやだ」
「はぁ?」
開けるのが怖いんだよと溜め息混じりで言ってやると馬鹿じゃねぇのと清々しく鋭いパンチ(言葉のね)をお見舞いして下さった。
「開けてみなきゃ、怖いかどうかなんて分かんねぇじゃん」
「……ふーん」
「で、何開けんの」
「教えない」
オレンジから段々と群青色に変わっていく空に取り敢えず「馬鹿ー!」って叫んでやろうかと思ったけど近所迷惑だしってか恥ずかしいし止めておいた。
「………」
「………」
「…寒くね?」
「そりゃ、冬ですから」
「いやお前、」
いきなり何を言い出すのかと顔を向けてみればあいつは自分の首に巻き付いてた群青色のそれをあたしの首に巻き付けてきた。
「お前の格好、それ、寒くねぇ?」
「……、」
血液がどばーって逆流して足元貧血でガクガクしてるみたいな、走っても無いのに心臓が暴れ馬みたくなって何かあれ?気持ち悪い。
てか痛い。
「何その顔」
「何が」
「酷いよ」
「うるさいよ」
あー、んな事言う子にはマフラー貸しませんとか言って引っ張られたけどくれたんでしょこれ返さないよ絶対って離してやらなかった。
※コイゴコロは繊細なのよ!
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