サエズリ双月譚

君の名を時の流れに落とせば
君の手は星を穿つ
拡散と星は平常の習性
だろうと思っていたけど

知ってしまった
君の身体に残された
命の期限はあと二週

(ある日君が衆目に晒した
 画像の腕に確かに見えた
 白の袖が隠しきれなかった
 赤黒い死の病の斑点
 掻き毟ったいびつな傷跡と
 静かに滲み続ける血液
 デジタルは無情に時を刻み
 命の灯を削りゆく)

君は

君の自我を検索し
君を呼ぶ声に星を散らす
積み上げた便覧は生存の証明
ここで確かに生きているよと
ここに確かに生きているよと
絶望を押し殺し
そのサエズリに星を散らし続ける

忘れないでいて...
忘れないでいて...
忘れないでいて...

ついに途絶えた君の存在
君の消えゆく電脳の世界など
受けいれられず許容できない僕は
君の人格を産んで君の垢身に付け 僕は

君の自我を検索し
君を呼ぶ声に星を散らす
積み上げた便覧は生存の痕跡
ここで確かに生きていたよと
ここに確かに生きていたよと
切望を押し殺し
そのサエズリに星を散らし続ける

(君になりすまし続けた僕に
 ある日訪れたリングの咎は
 赤黒い死の病の斑点
 君と同じ病巣の斑点
 この痒みは君の通った道?
 この痛みも君の通った道?
 赤に染まった視界の狭間で
 僕が最後 確かに見たものは)

僕が追い求めた
あの時の姿で
何も起こらなかったように
星を撃ち込む君
嗚呼もしかして
僕が追った君は
太陽の光映し出す
単なる月だったというの...?

ライセンス

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【歌詞】サエズリ双月譚

閲覧数:317

投稿日:2014/05/20 21:59:56

文字数:649文字

カテゴリ:歌詞

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