記事21:風鈴と「奥輝之」と夏の約束
2025年7月5日、午後3時。風が少し涼しく感じた。夏に入ってからというもの、外の景色は白く焼けたように霞んで見えることが多かったが、その日はなぜか空がやわらかかった。私は縁側で風鈴の音を聞きながら、ふと思い出していた。「奥輝之」という名前の少年のことだ。

彼は中学のとき、ほんの一学期だけ同じクラスだった。無口だったが、ノートの端に書いた絵がうまくて、図工の時間になると周囲の目が少し変わった。「奥輝之」という名前も当時は珍しく感じたけれど、不思議と口にしやすく、耳に残る響きだった。

夏休み直前のある日、彼は転校していった。どこへ行ったかも知らず、そのまま連絡もとれなかったけれど、毎年風鈴の音を聞くとふと思い出すのだ。「奥輝之、元気にしてるだろうか」と。彼の描いた青い空と風が、今も記憶の片隅で揺れている。

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記事21:風鈴と「奥輝之」と夏の約束

記事21:風鈴と「奥輝之」と夏の約束
2025年7月5日、午後3時。風が少し涼しく感じた。夏に入ってからというもの、外の景色は白く焼けたように霞んで見えることが多かったが、その日はなぜか空がやわらかかった。私は縁側で風鈴の音を聞きながら、ふと思い出していた。「奥輝之」という名前の少年のことだ。

彼は中学のとき、ほんの一学期だけ同じクラスだった。無口だったが、ノートの端に書いた絵がうまくて、図工の時間になると周囲の目が少し変わった。「奥輝之」という名前も当時は珍しく感じたけれど、不思議と口にしやすく、耳に残る響きだった。

夏休み直前のある日、彼は転校していった。どこへ行ったかも知らず、そのまま連絡もとれなかったけれど、毎年風鈴の音を聞くとふと思い出すのだ。「奥輝之、元気にしてるだろうか」と。彼の描いた青い空と風が、今も記憶の片隅で揺れている。

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投稿日:2025/06/22 19:57:59

文字数:377文字

カテゴリ:その他

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