ミツワールド

      ~スウィートな街のスウィートなアパート~


【予章】

私の名前はクルミ

私が住んでいる街は世界で一番愉快で楽しいミルツートという国。

私はここに越してきて半年がたつ。

今日も愉快な仲間たちが私を迎えてくれる



【第一章】
  ~203号室~

私は夕食の食材を調達するために、近くの商店街へ出かけた。

商店街は今時珍しく、

お肉を専門している店、お魚を専門としている店、

などと、ジャンルごとに分かれている。

商店街の人たちはみんな優しく仲がいい。

お店どうしの争いもなく、とても平和なところだ。

今日の夕食は何にしよう?

お肉?お魚? どっちだろう・・・

そう悩んでいるところにお魚屋さんが私に話しかけてきた

「最近この商店街でスリが起きたらしいからクルミちゃんも気お付けなよ」

と、言ったと思うと遠くの方で女の人の叫び声がした。

お魚屋さんのおじさんは猛ダッシュして現場へかけつける

私もついて行ってみるとそこには倒れ込んだ女性と同じアパートに住んでいる

竹原さんだった。

竹原さんさんの名前は竹原莉子(たけはらりこ)

竹原さんは私の住んでいるアパート、その名も「スウィートフロートアパート」の

203号室にすんでいて、とても仲がいい。

可愛い柴犬を飼っている。

しかしなぜ女性は悲鳴を上げた?

もしかして竹原さん、何かしたの!?

そう思った瞬間女性が、

「きゃああああああああ、犬ううううううううううう」

なぁんだ、犬に怖がってるのか。

それにしても大げさすぎないか?

竹原さんは必死に謝る。

そのうち女性はグターっとして商店街を出て行った。

「とんだ災難だったね」

私は竹原さんに言う。

「うん、ビックリしちゃったよ。いきなりおっきい声をあげて」

竹原さんは焦った表情で続けて言う。

「アパートまで一緒に帰ろう」

「ごめん、夕食の調達しなきゃ」

「じゃぁ今夜はうちで夕食食べてきなよ」

「いいの!?」

私は遠慮をしないタイプでこういう誘いにはすぐに乗っかってしまう

「いいよ。じゃぁアパートまで一緒に帰ろう」

「うん!」

そして私たちはアパートまで二人で帰っていた。

そして竹原さんは自分の203号室のドアを開け、

「じゃぁ7時にうち来てね」

と、いい自分の部屋へ入っていった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・~7時~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私はウキウキしながら203号室のチャイムをならした。

すぐに竹原さんがエプロンをつけたままドアをあけ、私を入れてくれた。

部屋には可愛い柴犬のペロと料理のいい匂いがただよっていた。

私は匂いですぐにわかった。

「グラタンだね?」

「正解!」

私はなぜか心の中で「よっしゃあああ」と叫んでいた。

「私も手伝うよ」

と、言うと竹原さんが

「もうできあがるからいいよ」

と、返してきた。

私は遠慮なくこたつに入り、出来上がるまでペロと遊んでいた。

チーズのいい香りがしてきた。

グラタンが出来上がったようだ。

竹原さんがグラタンを両手に抱え、こたつまで持ってきた。

グラタンには私の大好きなエビが入っていた。

そして二人で、

「いただきます」

と、言う。

私はこのグラタンをパクパク食べ、すぐに半分食べてしまった

「どう?おいしい?」

と、竹原さんがいい、私は、

「すっごく美味しいよ!」

と、返す

ペロも竹原さんの隣でぴょんぴょん跳ねていて、おそらくご飯をねだっているのだと思う

たけはらさんがすぐにお皿とドックフードを用意してお皿に出した。

ペロはりこうでお皿を床に置くのをじっと待っている

「まて!・・・よし!」

の合図が出てようやく食べ始めた。

「すごいなついてるね」

と私がいったら

「ありがとう」

と竹原さんがとっても嬉しそうに言った

しかしそのあと竹原さんは沈んだ表情になった

「でも、ペロのおかげで結構苦しい生活してるんだよね・・・」

「え?どうして?」

私は心配そうに聞いた

「最初はすっごく可愛くて、ずっとペロと遊んでて外のことをすっかり忘れてて。
 おかげで仕事も信頼もお金も失って、苦しい状況なんだ・・・」

「そうだったんだ・・・あ!ごめんね!そんなことも知らずにごちそうしてもらって・・・
 あ!そうだ、今度うち来てよ!今度は私がご飯作るからさ!」

「いいの?」

「もちろんいいよ!」

そう言った瞬間竹原さんは今までにない笑顔をした

「いつならいい?」

と私が聞く

「来週の土曜日なら空いてるよ」

「じゃぁ土曜日にこの時間、うちに来てね!」

こんな話をしてもう8時になっていた

そろそろ帰らないと竹原さんにも迷惑だよね

「じゃぁそろそろ帰るね」

「うん!じゃぁまた今度ね」

竹原さんはニコニコしながら私を玄関まで送り手を振った。

私もてを振り、私の301号室へ帰った。



  私はこんなふうにこのアパートの住民をみんな笑顔にできたらな、と思った

                           

                              第一章 ~203号室~ 完

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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ミツワールド~スウィートな街のスウィートナアパート~ 第一章

ここはスウィートな街のスウィートなアパート。
ここには愉快な仲間たちが住んでいます。
毎日ハッピーな生活をしている中、このアパートに革命が起きます
さぁ、あなたもこのアパートに住んでみませんか?

閲覧数:87

投稿日:2012/11/26 11:17:38

文字数:2,217文字

カテゴリ:小説

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