くり抜いた眼球に
安堵して微笑んだ
暗褐色の虹彩に
耐え切れずに
及ぶ狂行
今際の断末魔が
耳について
離れない
大嫌いだこんなもの
鼓動が強く跳ね上がり
息が切れて苦しくて
一目見ると
空っぽの眼窩に
吸い込まれるような
感覚が恐ろしく
結局眼球があろうが
無かろうが
これは
おぞましいものと知る
最初から
こうすれば良かった
すり潰した頭を
獣に喰わせ
いずれ体も土くれに還る
やっと世界は
静かになる
もう何も
いらないから
誰も僕を見ないでくれ
大嫌いなんだ
視線というやつが
大嫌いなんだ
責められるようで
大嫌いなんだ
ふと見れば
すり潰した頭から
白い命が産まれ始め
蔓延る黒が旅立って
しきりに僕を責め立てる
どうしてだとか
憎々しいとか
小さな目が囁いて
殺しても
殺しても
悲鳴は消えず
重なる残響
終わらぬ反響
みんなが僕を
責め立てる
君の残骸
君の分身
渦巻く黒
蠢く白
嫌い
嫌いだと
囁いて
ああ
最初から
こうすれば良かった
くり抜いた眼球に
安堵して微笑んだ
もう誰も僕を見ず
もう誰も僕を責めず
この世界は穏やかで
やっと休めると
目を閉じた
目を開けても
暗闇で
目を閉じても
暗闇で
だからこそ
穏やかで
だからこそ
独りきり
ああ、僕は
きっと
随分と昔から
こんな風に眠りたかった
それだけなんだ
どうか誰も
夢の中でも
僕を見ないでと
呟いて
一息吐いて
眠りにつく
獣が喰らう
僕を喰らう
いずれ体も土くれに還る
骨になる
跡形もなく
壊れ崩れ消え去って
誰も僕を見つけられない
おやすみなさい
ああ、本当に
最初から
こうすれば良かったんだ
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