~四章~

「ここは…。」

ガゼルは何処かの
ベッドの上で目が覚めた。
見覚えがなく、不思議に思って
体を寝かしたまま
辺りを見回してみる。
純白の布団とシーツ。
花瓶に数本の
ブリザードフラワー。
そして、
全身真っ白の衣服を着た男と、
見覚えのある鮮やかな
青竹色の髪をしている少女、
ルリカが何やら話をしている。

「先生!?ガゼルは
 どうなっちゃうんですか!?
 もう二日間も
 眠りっぱなしで…。」

ルリカは取り乱している。

「落ち着きたまえ。
 ガゼル君の命に別状は
 ないのだが…。」

男は深刻そうに話を続ける。

「あれほどの重傷を
 負っておきながら
 傷の治癒が余りに早いため、
 少しガゼル君の血液を
 採取して勝手ながら
 調べさせてもらったんだ。」
「ガ、ガゼルに…
 何かあったんですか…?」

すると、
男はさらに深刻そうな顔をして

「ガゼル君にはどうやら
 “ファル細胞”と呼ばれる
 世界に数人しか
 持っている者がいない
 という特別な細胞を
 持っているんだ。」

「その細胞があると…
 どうなるんですか…?」

「君はレイエム砂漠を
 知っているかな?
 あそこはその昔、
 大きな城が建っていて
 産業も栄えていたらしいんだ。
 ところがある時、
 その“ファル細胞”を持つ者が
 自らの欲望のために人を殺し
 ついには細胞が暴走して
 凶暴な魔物になり
 辺りを砂漠に変えてしまった
 と言われている。」

するとルリカは怒って

「ガゼルは自分の欲望のために
 人を傷つけたりしない!」

男は言い返すように

「では聞くが、
 このガゼル君が
 ネイズ君やセイル君を
 殺したのは事実では
 ないのかね!?」

ルリカの威勢は消え去り

「で、でもそれは…ガゼルが
 乗っ取られただけで…。」

「またいずれ、
 乗っ取られて細胞を
 暴走させるやもしれん。
 それにこれは…
 全世界共通での
 決定事項なのだ…。」

「え?決定事項って…
 なんなんですか!?」

「すまんが、ガゼル君を
 殺すことになってしまう。」

その言葉を聞いた途端、
ルリカの目から大量の涙が
溢れ出し、

「そんな…
 じゃあもうガゼルとは
 話すことも
 できないんですか!?」

男は慌てて

「いやいや!
 まだ何もしていないから
 安心したまえ。
 いずれは…ということだ。
 だからガゼル君が
 目を覚ましたら、
 たくさん話を
 しておきなさい。」

そう言うと、
男は部屋から出て行った。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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四章(1)

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投稿日:2011/02/21 16:00:10

文字数:1,081文字

カテゴリ:小説

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