A
長い夜二人ベッドで
とめどない涙流した昨日
窓の外冷えた手と手を
包み合う人たちに身を重ね

B
まだ名前さえない命に聴かせる
筈だったあの歌口ずさむ

S
逃げ水ただ追い続けるように
誰かのためにこの祈りを捧げよう
僕らが喜び手にした水は
淀んだこの心洗い流し
さぁ　進もう

A
雲間から光注いで
悴(かじか)んだこの街をあたためる

B
どんな芽を出すかなどんな花咲くか
知れず散る者にも伝えたい

S
逃げ水ただ追い求めるように
過ぎ行く人の波かき分け歌おう
僕らが喜び手にした愛は
優しい風に乗り
遠い世界運ばれた

（降り注ぐ陽だまりの遥か空安らかに）

S
涙が落ちることをやめたなら
歩き出す準備ができた合図
捉えることの決して叶わない愛を
胸にしまいこの先続く人生(みち)へと
寂れた店のショーウィンドウに
浮かぶ乾いた顔洗い流し
さぁ進もう