
BPM135
脱ぎ捨てた靴下は未だ
玄関で朝を待っていた
午前二時の途中から
番組を切り替えて
独りでに点いた、テレビが
こちらに声をかけていた
午前二時の途中から
番組を切り替えて
揺れた曖昧な夜に
独り夢の世界でずっと
アラームを止めた
時間は進まないままで
小説の中で一人で
幽霊、何某のそれで
窓の外を見ていた
裸足で駆ける幻想を
呆然とただ眺めていた
今、或る時間は未だ
未だ淡白な青色で
開いた言葉のアイロニー
藍色に染まる世界からさよなら
雨の中で
乾いた言葉、止まった音は
不確かに彩る
セピア色した世界からさよなら
朝が来ないまま
僕は息をひそめて夜を往く
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