海の見えるこの丘は
静けさだけが溢れている
泡沫も何もなくて
消えてく声も波に浮く
大きいね小さいね
失ってきたもの さてどちらかな
積み上げられたテトラポットが
白い飛沫に飲みこまれていく
ただそこにいる僕らはちっぽけ
波を恐れてしまうほどの そんな存在
空だけ浮いている世界で
宙まで届く階段築き
夢ばかり膨れ上がって
揺らいだ日々が底に浮く
まばゆくて真っ青で
そんな不運をただ消したくて
築き上げられた砂のお城を
ちっぽけな手が崩してしまう
ここじゃ誰もが弱くて強くて
だけどさちゃんと意味はあるんだ 風が吹いては 潮が満ち引き 人を無視するけど
無限に広がる夢に飲まれないために それ以上の速さで
駆け出してみては前のめりで躓いて どこ見て走ってきたんだい
こんな世界なんてもうやだって
叫んでみても掻き消されてさ
こんな小さなさざ波だってのに
大声なんて意味がなかった そりゃあそうだよ
不運のせいにして逃げるだけの
お前なんて空にも海にも
誰にも見向きもされないってこと
世界が僕らに届けるのは 叶えるための 猶予と 舞台だけ
海の見えるこの丘は
静けさだけが溢れている
大きなテトラポットは
いつしか砂のお城になっていた
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