S'
「大嫌い」
そう告げた唇の傷跡がまだ
心にトゲを刺して
くつくつ、と
笑うのです。
A
いつもの朝の風景は
突然途切れ出す
知らなかった衝突は
一人の男を殺してた
A
ようやく落ち着いた矢先に
突然泣き出した
言ってしまったコトノハは
一人の女を悩ませた
B
「こんなことになるのなら、」
吐き出す 後悔 戻らない
「言わなければ」
何かが変わったのだろうか?
S
「大嫌い」
そう告げた唇の傷跡がまだ
心にトゲを刺して
くつくつ、と
笑うのです。
「ごめんね」と
言えずに逃げた時の足跡がまだ
私の後(あと)について
くつくつ、と
笑うのです。
A
それからはただの脱け殻に
なったような心地
聞けなかった断末魔
一人の男が消え去った
A
朝だろうと夜だろうと
想いは駆け巡る
言えなかったコトノハは
一人の女を苦しめた
B
「こんなことになるのなら、」
呟く 涙が こぼれた
「言ってしまえば」
何かが変わったのだろうか?
S
「大嫌い」
嘘をついた盲目の泣き顔がまた
自分を責めて責めて
くつくつ、と
笑うのです。
「ごめんね」と
伝えるつもりだけの怖がりがまた
今日を責めて責めて
くつくつ、と
笑うのです。
C
言っていても言わずとも
言えなくても言おうとしても
言えない
もう言えない
言うべき相手は見つからない
言うべき言葉は消えやしない
S'
「大嫌い」
そう告げた唇の傷跡がまだ
心にトゲを刺して
くつくつ、と
笑うのです。
「大嫌い」
そう告げた唇の傷跡だけを
心に留めたまま
しくしく、と
笑うのです。
しくしく、と
笑うのです。
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