ルル視点

「…ねえ、私って、居て良いの?私…心を持ってていいの?世の中、悲しい事だけじゃないの?」

「ううん、違う…。だったら、今までの笑顔は何だったの…?僕を支えてきたあの笑顔は…なんなの?」

「…ありがとう。私、行くよ。ここに存在するよ。心、持ってるよ!」

瞳を開けば、其処には、ララが立っていた。そして、僕を抱きしめていた。

「…ララ…」

「ありがとう。ルル。さてと…私達も行こう。最後の戦いに」

ララの顔は、いつになく真剣だった。


僕も、行かなきゃ。




全ての決着をつけに


リオ視点

「…っ!」

戦場は、とても混戦していました。
所々では、沢山の悪UTAUが打ち落とされていた。
そして…私達の仲間も…。

だが、彼らはちゃんと回収されているので、死んでるという事は無いでしょう。
リユウ様のような悲劇を…もう誰も起こしたくないのです。

「あの子が…」

あの少女が、とても悲しそうに見えたのです。

【…待ってたよ】

「…貴方の名前を、教えてください」

【…そういうのは、普通そっちから言うものだと思うけど?まあいいや。私はルゥネ。あなたは?】

ルゥネという少女は、最初にあった時とはとても雰囲気が違いました。

「…私は、リオと申します…」

【そ、じゃあ宜しくね…リオ!!】

突然ルゥネは仕掛けてきました。
ルゥネは機体を急加速させながら、私の方へと向かってきました。

「…私は、そう言うことがしたいのではないのです、貴方を…説得したいのです」

【…どうせ、お兄ちゃん達には何も分からないくせに…】

「…」

何も分からない…。
ルゥネのその言葉は、私には理解が出来ませんでした。

【貴方達が、ユウお兄ちゃんからユアおねえちゃんを奪ったんだっ!!!】

「…!?」

私達が…ユウ様からユア様を奪った…?

【ノイゼリエス様の言う通りは絶対…。ユウおにいちゃんは、自分の幸せを掴むために…取り戻すために!!!貴方達を倒すの!!だから…ルゥネも…そのお手伝いをするの!!!ユウおにいちゃんが…ルゥネを助けてくれたみたいに…今度はルゥネがお兄ちゃんを助けるのっっ!】

この子は…恩人に何かをしてあげたいだけなのです。
ただ、それがこんな形になってしまった。それだけ…。

「ルゥネ…話を…聞いてください!私達も…ただ、ユウ様達を助けたいだけなのです…!」

【煩い煩い煩い煩い煩いッ!どうせ貴方達には何も分からない!】

「ぐあああっ!」

ルゥネの銃撃に、私の機体は耐え切れず、吹き飛ばされてしまいました。

【…どうせそんなぎぜんだけいって、ルゥネたちをだますつもりなんだ】

「違います…私は、ただ…」

ルゥネ、気付いてください、貴方のしていることは間違いだと。
別の方法があると。

「ただ…貴方を、助けたいだけなのです」

【…だまって、おにいちゃん】

ルゥネは私を追い詰め、銃を構える。でも、私はただ、手を伸ばすだけ。

手を伸ばして、ルゥネの手を、握ろうと…。

【…ルゥネ、わるいこだもん。いまさら、いいこにはなれないよ】

握ろうとしたとき、ルゥネの方が先に動き、ルゥネのその銃は、空を撃った。
そして、ルゥネはそのまま、何処かへ行ってしまいました。
転移を使ったのか、もうレーダーにも映りません。

「…悪い子…ですか…」

ルゥネの泣きそうな、助けを求めるような言葉が、私の頭の中にこだまします。
ルビア様やマキに合わせる顔がありません。

「自己修復機能くらいは使えそうですね」

すみません、ルビア様、マキ…そして、ユア様。

私は、あの子を連れて戻ってくるまで、エンジェルボイスターには戻りません。

ユア視点

「ユウ…」

【ユア、戻ってきて。僕やルゥネと一緒に、ずっといよう…きっと、あいつらに酷い事されてるんだろう…ノイゼリエス様が言ってたんだ…ユアを此処から取り返せば、きっと僕達は幸せになれるって】

「…ごめんなさい、ユウ…。私、そのノイゼリエスを倒さなければいけないのです…」

私は、ユウと対峙していました。
ユウも私も、お互いの意志を曲げる事は無いと思いました。

【…どうして?どうしてなんだよ、ユア!】

「…だって、ノイゼリエスは、UTAU達を使ってあんな酷い事をして…あの子たちは、あんなことに使う道具じゃないのです!あの子たちは…歌を歌う為に生まれてきたのです!そして…ノイゼリエスは、私の大切な人達を…殺したんですよ…」

【…ノイゼリエス様が?】

「はい」

【…そんなわけ…ない…。ノイゼリエス様が…ユアの大切な人達を消そうとなんて…】

「ユウ、聞いてください…。私は、ユウを連れ戻したいのです!勿論、ルゥネやサリナ達の居場所もあります。そちらは、貴方達が居るべき場所じゃない…」

【…ユア…僕は、其処に居て…いいのかい…?】

「はい、だから、一緒に行きましょう。ユウ」

私は、コックピットを開けて、ユウに向けて手を差し伸べました。

「…」

ユウもコックピットを開けて、私の方をまっすぐに見ました。

「…ユア…」

ユウも手を伸ばそうとしたその時

「うぅ…うあああああああっ!」

「ユウ!」

ユウの状態が、おかしくなったのです。
突然頭を抱え始め、もがきはじめました。

「…どうしたのですか、ユウ、ユウ!」

「くる…な…っ!ユア…!」

ユウは、頭を抱えたまま、苦しそうな顔をしながら言いました。

「…コックピットを閉じて…そのまま…帰ってくれ…。このままじゃ…僕は…僕あ…」

「ユウ!ユウ!」

『お姉ちゃん!此処はお兄ちゃんの言うとおりにした方が良いよ!』

『そうです…姉様…此処は、一旦戻りましょう…』

「…リア、ミア…」

「そう、それでいいんだよ…ユア…」


「ユウーーーーーーーーーーーーーッ!!!」





「使うなら使うが良いさ…ただ、ユアだけは、傷付けるな…よ……」


(ごめん、ユア…)

続く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

歌姫戦士ボカロボット第46話中編

リオ兄さん!?
なんだかユウのほうも…。
次回は最後です!本当の本当に!
まさか前編後編のはずが…

ツカ冒頭のララとルルがどうでもいいくらいに他の人が目立ちに目立ってるwww

閲覧数:105

投稿日:2012/11/23 16:09:04

文字数:2,492文字

カテゴリ:小説

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