雪が降った。
どんよりと曇った空から降る雪は北海道ではあまり珍しくはない。むしろ、雪かきしなければいけないと思うだけで気が滅入る。
私はため息をついた。ここのところうまくいっていない。学校での人間関係。勉強。運が最近悪い。こうやって考えていると、降る雪だって不幸に思えてくる。
カチンコチンに凍った雪道を転ばないように歩く。学校へ行きたくない。マフラーに顔を埋める。私のトレードマークである、大きな白いリボンカチューシャも心なしか元気がないように思える。
私は鏡鈴花(かがみ りんか)。中学二年。来年は受験だ。今は一月だから、あと一年と少しってところかな。勉強はまあまあ。最近下がり気味。
「・・・・・・」
「おーい、りんかー」
「なによ」
後ろから走ってきたのは加賀蓮(かが れん)だ。最近妙に仲よくしてくる。れんは今年、内地(本州)からここ札幌へ転校してきた。席が隣だったこともあって、友達になったが、最近はことさらだった。
「一緒に学校へいかないかい?」
「いいけど・・・・・・」
「やっぱり北海道の冬って寒いね」
「あ、手袋を履くのわすれてたわ。道理で寒い訳だ」
「はめる、のまちがいじゃないかい」
「出た、内地ギャップ」
「あははははははははは」
こんな他愛のない会話をする登校中。それが毎朝だった。今日のれんは、なんか変だった。
学校も終わり、れんと一緒に帰る。私とれんは部活には入っていない。れんはどうか分らないけど、私は勉強を優先したかった。いい高校にはいるために毎日こつこつと勉強をしている。
「なあ、りんか」
「うん?」
「誠心高校、受験しないか。僕と一緒に」
「誠心って、ここら辺で一番頭がいい高校じゃん! 行けないよ、私なんか」
「実は僕、明日で転校するんだ」
「え・・・」
「旭川に行くんだ」
「急に?」
「うん。誠心高校だと、寮があるからいけるかなーって」
涙が独りでに流れてきた。
「泣くなよ」
「うん・・・・・・」
「誠心高校、絶対受かれよ・・・」
「うん・・・・・・」
「そこで伝えたいことがあるから」
そういってれんは走って行った。
れんが居なくなって、自分の本当の気持ちに気付いた。
本当はれんのことが好きだったんだ。
あうたびに早くなる鼓動。
あれが恋なんだ。
これが初恋。
れんに会う為に私は勉強をたくさんした。
そして合格発表。番号は89。
「89番は合格だぞ」
突然カチューシャをとられた。驚いて隣を見るとそこにはれんが居た。
すこし背が高くなり、かっこよくなった。
彼は一言。
「好きだ」
不幸が吹っ飛んで、幸せになった。
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