気分も落ち着いてきたので
アリスはベッドから抜け出す。

ふわふわで上質なベッドは
天蓋なものだと気づく。
地球にいたころ両親にねだっても
買ってくれなかったものの一つだ。

ベッドの下には市松模様の
深い絨毯がひかれていて
ベッドサイドには
明るい茶色のサイドテーブルかと
思いきや天板をあけると
大きな鏡があり
ちょっとしたドレッサーになっていた。
まだ、メイクをすることはないため
化粧品は入っていないが
ブラシやドライヤー、手鏡などが
入っていてアリスはとてもうれしかった。
全体的に家具は明るい茶色の木が使われており、
デスクドレッサーも含め、薔薇の彫刻が施されている。

弥生君が来るから、髪を整えようと鏡をのぞくと……

「何……これ……」
薄桃色の甚平を着物アレンジしたような服を着た自分。
地球にいたころは母親譲りだった
自慢の碧い眼が桃色になっていたのだ。


「イヤ……これ……どうして……」
心の支えにしていた碧い眼がなくなり
アリスは不安定になる。

アリスの動揺が伝わり、家具がガタガタと振動し始める。

「なんで……ア…アリスが悪いの?…」

現実を拒否して、ギュッと目をつぶった瞬間
ガシャーンと何かが壊れる音。

「もぉ、やだっっ…アリスは何も悪くないもんっ!」
そう叫んで、アリスは部屋を飛び出した。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

Innocent Baby 第捌話

アリスいじめてごめんなさい。
でもアリスが力のことを理解するには
何かハプニングが必要だったのです。

うまく続きを書ける自信がありませんが
気長に待っててください。

閲覧数:96

投稿日:2010/11/27 12:00:19

文字数:569文字

カテゴリ:小説

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