「罵倒舞踏・ブーメランダンス」（作詞：砂糖）

（１）

叫んだ罵倒の言葉
だれにむけて放ったのか
いつのまにか自分の元に返ってきて

自分は完璧な人間じゃないから
人の間違いを指摘するのが怖くて
見ない振りをしていた

ダンスを踊る周囲を見ていられなくて
出来レースだと小さく吐き出す
それすらも跳ね返ってくると言うのに

どうせだったら鏡に向かって
僕は罵倒の言葉を連ねる
すべて鏡に突き刺さって
割れた破片が僕に突き刺さった

ブーメランを投げたならば
普通は帰ってくるでしょう
法則に従って
ダンスをおどりましょう

そろそろ自分と他人が曖昧になって
すべて同じに見えてくる頃
僕はブーメランを握りしめて
それでもやはり見ない振りをした

足だけリズムを刻んで
ダンスを踊らないこの僕は
世間からずれているようで
ひどく合理的だった

（２）

投げかけた舞踏の誘い
だれにむけて放ったのか
いつのまにか自分しかいなくなっていて

自分は完璧な人間じゃないから
人の間違いをみているのが億劫で
見ない振りをしていた

矛盾だらけの周囲を見ていられなくて
まちがっていると小さく吐き出す
それさえも闇に溶けていってしまうというのに

どうせだったら鏡の前で
僕はタンゴのリズムを刻める
すべて自分に突き刺さって
割れた破片が鏡に映った

ブーメランを投げたならば
普通は帰ってくるでしょう
作法を遵守して
ダンスをおどりましょう

そろそろ自分と他人が曖昧になって
すべて同じになっていく頃
僕は燕尾服を握りしめて
それでもやはり見ない振りをした

口だけリズムを刻んで
言葉を刻まないこの僕は
やっぱり世界からずれているようで
結局投げかけた