二息歩行
    作詞・作曲:DECO*27



昔々
とは言ってもちょっと前の
僕の
‘僕’だった頃の
進化の過程の1ページ目です

ふっと思ったんだ
今さらかもしれない
だけど君を抱きしめたいから
二本足で歩く 走る
一人じゃ寂しいから
君と息するんだ って

とても愛しくて
とても大切な人

「ねえママ、僕好きな人が出来たんだ。」

ママはきれいな笑顔で
"おめでとう"

会いたいよ
ねえ、君は今頃何を吸って生きてるの?
僕はまだここにいて
一人で君を待ってるよ
言葉はもう覚えたのかな?

「パパ、ママ、ニーナ...」
"よく出来ました。今すぐ行くね。"

ママは笑顔で褒めてくれるけど
あれ?おかしいな…
君はずっと僕を見てるだけ

君を笑顔にさせたくて
君を抱きしめるために浮かせた前足が
何故か君を傷つけ始めるんだ

「どうして?」

覚えたての言葉だって 君に突き刺すナイフ
切り裂く人生(ライフ) 
僕のせいで君が傷つくの?
言葉なんていらないじゃないか

「ねぇ、どうしたら君は」
そう呟けば
君は僕の手を引っ張って

「じゃあアタシが言葉(ナイフ)放つ前のその口を」
「この口で塞いであげましょう 」

君が止めてくれるの?
ねぇ、相対(あいたい)

「キミは今からアタシの息を吸って生きてくの 」

言葉はもう唾液で錆びついて
握りしめた言葉(ナイフ)を放り投げた

ねぇ、君は今さら僕の息を吸って
「大好き」だなんて言ってみせるけど
それじゃあ足りないんだよ

それならもういっそ
ボンベのように一生
ずっとずっと
僕が吐く言葉吸って息絶えて?

なんて、
呟いたら君が微笑むから
僕は心から君を抱きしめられる気がした
‘僕’が生まれたのは君のお陰
‘はじめまして、ママ’

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

二息歩行


DECO*27様の二息歩行を元に、詩のような小説のようなものを書きました。
ご指摘等ございましたらお願いいたします。

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投稿日:2010/07/02 11:19:51

文字数:767文字

カテゴリ:その他

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