「そういや、ミンは?」
しばらくして、アカイトは辺りを見回した。
「そういえば今日は見てないですね」
モコも首を傾げてきょろきょろ。
そんな時、

「猫音一族の踏襲にゃお~ん!!」

そう言いながら、ミンがドアを開けてやってきた。・・・後ろに、猫を2匹引き連れて。
「おお、ミン、遅かったな・・・って、・・・友達?」
アカイトがほっとしたようにミンを見て、それから後ろの猫たちを見て凍りつく。
「どうした?何か顔色悪いようだが」
そんなアカイトを心配そうに見るバン。
「・・・こいつら」
アカイトは首を振って、
「猫音一族って、知ってるか?バン」
「? 何だそれ?」
「通称ドS姉妹と呼ばれて恐れられてる2匹に、意地の悪いミンが加わってトリオになったのが、猫音一族っていうんだぜ・・・」
段々元気がなくなっていくアカイトに、
「やけに詳しいな?アカイト」
バンは、少し着眼点が違うことを言った。
「とりあえず、ここへ来たからにはみんなと同じ友達だ。それに変わりはないだろう?」
「ま、まぁ、そりゃそうだけど・・・」
バンの妙に正論な言葉に、アカイトは頷かざるをえない。
「こんにちは、とりあえず自己紹介してくれないか?」
2匹の猫に話を振るバン。
「はいはーい!えっとぉ、私は猫音ミヤっていうのにゃおん!ちなみに年は12歳で、ロリコンは許しませんにゃ!!」
元気良くそう言ったのは、ミヤ。ショートな黒髪が可愛い女のk・・・猫だ。
「・・・私は、猫音タマ。好きなことは、・・・いじめることかしらにゃん。それと、」
そこで言葉を切り、タマはワンを指差した。
「・・・・私、犬が大っ嫌いにゃん。できれば、どっか行ってほしいにゃん」
「わおーん!?」
いきなり大っ嫌い宣言をされてショックを受けるワンに構わず、ワン以外の全員に向けて、
「・・・こんな私だけど、よろしくにゃん」
にっこりとして言った。
「・・・・怖い」
そんなタマを見て、思わずジミの服の裾を掴むレト。
「ワンさんに、悪いと思います」
モコは憤慨して、タマに抗議する。
「あら、ほんとにそう思っているのにゃん?」
余裕ありげにモコを見下ろすタマ。
「私も、悪を許しませんっ!今すぐ、ワンさんに謝るといいわ!!」
正義の味方という言葉が似合いそうになってきている、マニもタマに言った。
「・・・へぇ、この私が誰かに頭を下げると思っているのにゃんか?ましてや、一番嫌いな犬に頭を下げるなんて・・・嫌だわにゃん」
どこ吹く風に、タマは言う。
「・・・・あー、本来なら俺は傍観者になるんだが、今回だけはちょっと口出させてもらうぜ」
このままだと何かやばいと察したアカイトは、控えめに口を出す。
「悪いが、モコとマニ。気持ちは分かるが、ちょっと俺に任せてくれないか?」
「・・・アカイトさんなら、分かりました」
「・・・分かりました」
渋々ながらも、一歩後ろに下がる2人。
「それで、タマだったか・・・・ワンにそんなこt・・・うわっ!?」
「にゃ~ん、きゃわいーいーにゃーん!!っていうか、こんなにかっこいい人見たの、初めてよぉ、にゃーん!」
タマに抱きつかれ、アカイトは驚いて何も言えない。
「・・・・・むー」
「ちょぉ、いやねぇあのタマさん」
モコは嫉妬顔になり、それを見たマニは首を横に振って呟いた。
「もう、タマにゃーん、だめでしょにゃん?初対面の人にはいきなり抱きしめちゃだめだって、いっつも言ってるにゃおん!」
ミヤは嗜めるように言って、タマとアカイトを引き剥がす。
「にゃーん、だってぇ・・・」
名残惜しそうに、アカイトを見つめるタマ。
「完璧いやがってたから、だーめにゃーん!それに、その赤い人は絶対彼女いるから、諦めろにゃおん」
「・・・うにゅにゅー、にゃーん」
少し残念そうに、タマは鳴いてから、
「なら、帰るわ。行きましょ、ミヤ」
と、元のタマに戻ってから、言った。
「しょうがないにゃんねー、全く。・・・というわけで、いつか私だけで来るから、その時は歓迎してほしいな、にゃおん!」
「なんか、相性悪いそうだから、また今度、ミヤにゃんだけで来るといいにゃん。またねにゃん」
明るく言ったミヤの言葉に、ミンはやれやれという風に呟いてから、来てから30分もいってない2匹の猫が部屋から出て行くのを、手を振りながら見送ったのだった。
「大丈夫でした?」
しばらくして、モコとマニは、ワンに駆け寄った。
「私なら、大丈夫わんよ。・・・ありがとわん、2人共」
「ならいいですね」
「よかったー」
ほっとする正義の味方2名。
「ねーねー、ラクにぃ、今の猫って可愛かったのに、どうして帰っちゃったの?」
ウサが無邪気にラクに聞く。
「だって、あの猫たちは害猫だからな」
「がいねこ?」
「・・・って、お前にはまだ早いことだぜ、ウサ~~っ!!」
「うわーい!ラクにぃ、やっぱり大好きぃー!!」
「・・・・・ね、ダッツ」
そのウサとラクの微笑ましい光景を見ていたピノはダッツを見る。
「なんだ?ピノ」
「お兄ちゃんの、アイス全部食べちゃったから」
「・・・・なっ・・・!!?」
ダッツは目を白黒させる。
「わーい、仕返し大成功♪」
「ありがとうです、マニさん!」
そんなダッツを見たマニとピノは、嬉しそうにハイタッチする。
「やっぱり、ここっておもしろいですよね」
ぼそっとミドリが呟く。
「そうですね~」
「・・・ふわあ」
シキは呟き、マツキは返事する代わりに欠伸をした。
「それぞ、幸せよね!」
にっこり、とナエルはビシッと言ったのだった。


            一応、続く!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【亜種コラボ小説】 猫音一族の踏襲とワンとやっぱり犬と猫は相性悪かった 【後半】

こんにちは、もごもご犬ですこんばんは!
今回は、猫音一族の踏襲というわけで、新たに2匹の猫さんに出演してもらいました!マスターさん、ありがとうございます!

次回も、また新たに人増える予定です><

閲覧数:104

投稿日:2010/06/20 13:50:51

文字数:2,319文字

カテゴリ:小説

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