[6月6日(月) モモサイド モール内カフェ]

桃「そうなんですよ。私も桃っていうんです。百瀬桃。」

モ「だから私は桃音モモなんですね。それにしても、私たちってそっくりですね。」

 茶色がかった黒い髪、その分け方はまさに鏡のよう。

 私の髪が桃色でなくこの色だったら、まさに双子。

 さっきからコーヒーカップの持ち方とか、全く同じように思えます。

桃「あなたはどこでメイドしてるの?」

モ「この近くですよ。マスターは大学生なので昼はこうして買物したり、家でドラマを見たりしてますよ。」

桃「マスターは大学生なのかぁ。私の分身がメイドしてるって思うとなんかフクザクだなぁ。あ、今ドラマって言った?」

モ「え?はい…。」

桃「今朝のドラマのさ、『明日は薔薇と百合が咲く』って録画した?」

モ「はい。マスターも見たいって言っておりましたので。」

桃「やったー!大好きもう一人の私!!」

 ちょ、ちょっと…そんなにギュッてされると私壊れちゃいますぅ///

?1「おお、ここにおったか。……!?」

 白髪の、いかにも「博士」って感じの方がいらっしゃいました。

 私を見るなり、買物袋を落としてしまわれました。 

 「落ちましたよ、大丈夫ですか?」と声をかけようとしたら、

?1「わ、ワシの孫娘が二人おる!!」

桃「あー、この人は私のおじいちゃん。あなたのデータを作ったヒト。」

 私のデータを作った方ですか?だとしたらすごい対面じゃないですか?

桃「実は私たちはあなたを探しに来たのよ。ちょっとあなたのマスターに相談事をしに、ね。」

百「コホン、すまない。取り乱した。その通り、一段落ついたら家へ案内してくれるとうれしいんだが。」

桃「ここから近いんだったよね?」

モ「ええ。案内しましょう。」

 ε=(´ε` )y-~~ 30分後

百「おお!これはワシの会社の製品じゃな?」

モ「これは美味しいので、つい買っちゃうんです。百瀬印はやはり教授の製品だったんですね。」

 なぜか「教授」と呼ぶことを強要されました。どうやらロボット工学の塾をなさっているそうです。

モ「桃風味の金平糖は珍しいですよね。」

百「ワシがモモのために作っているからな。」

桃「はいはい嘘はいいから。」

 なんだかこの会話、私とマスターの会話と似ていますね。

モ「桃さんっておいくつなんですか?」

桃「私?十五。中学三年生。」

 あ、私って思ったより若かった(幼かった?)んですね。マスターなんかよりずっと年下です。

桃「ねえねえ、モモは英語できる?」

モ「ええ、会話に困らない程度なら。」

桃「今度の英語の小テスト代わって!似てるからきっとバレ…!」

 バシット小気味のよい音が響きます。あらら、痛そうです。

 桃さんは私よりアグレッシブみたいですね。

  ------そして一時間が経過する------

 マスター、遅いですね。今日は昼帰りだっておっしゃってたのに。

俺「ただいまー。いやースマンちょっと遅れた。」

モ「ちょっとじゃありません。お客様が来てるって連絡したじゃないですか。……心配したんですよ//」

俺「渋滞に引っ掛かっちまったの。で、お客様は?」

モ「こちらの方々です。」

桃「はじめまして。百瀬桃です。」

百「こちらこそ突然お邪魔してすまんな。」

俺「あ、はじめまして。……って、桃音モモ?」

桃「も・も・せ、です。モモさんの基です。」

俺「!ああ!よく似てると思ったら!…ってあれ?桃さんは人でモモはロボットですよね。」

百「ワシが訊きたいくらいじゃ。どうやってこの型を造ったんじゃ?」

俺「組み立てて。」

 たぶんそういうことではないと思いますが。

百「……この話は後にしよう。今日はもっと重要な話があるからな。まあ座って。」

俺「はあ。」

 ******

 お話合いだということで、テーブルを囲む全員分のお茶と金平糖を用意しました。

 食べてるのはマスターだけなんですけど。

 もう少しお話を聞く時のマナーを覚えてほしいですね。

百「まず一つ目。これからは君に資金援助をさせてほしい。」

俺「え?二人での生活は困ってませんよ?しかもダウンロードした他の方にも…」

百「一人に限定した。」

俺「え?」

百「大量に造られると困るのでな。最初にダウンロードした人に限定したのじゃ。」

桃「基が私ということで、私がお願いしたんです。私がたくさんいるのって気味悪いし。」

俺「そー言われたらそーですね。」

百「それに、もうひとつ理由がある。こっちの方が大事だろう。」

俺「というのは?」

百「ここに、もう二人を住まわせる。」


俺・モ「「……は?」」


百「驚くのも無理はないか。ただ、……ちょっと耳を貸しなさい。」

俺「はい。……(ゴニョゴニョ)……ああ!それならいいですよ。むしろ好都合です!」

百「よかった。」

 一体何があったのでしょうか。ひどく気になります。

百「では連絡を入れるから、近日中にはここを訪れると思う。準備しておいてくれ。」

俺「はい、分かりました。」

[6月6日(月) 俺サイド]

 それからしばらく四人で話して、二人は帰ってしまった。

 外はまた雨模様になった。電車で来たらしいから、まあ心配はないか。

 帰り際に、桃さん(ちゃん、かな?十五歳って言ってたし)に腕を引っ張られて、何かと思えば

  「あのー、今朝のドラマの録画、借りていっていいですか?」

 ってさ。まあ俺は見る暇ないだろうからって貸してあげたけど、……モモと同じ姿であの上目遣いは反則じゃね?

 さすがモモの基ってだけのことはある。機械っぽさを抜いたら、声一緒だし。

 しかもモモはモモで「どんなお話だったんですか?」って上目遣いしてくるからもう俺限界w

<了>


<おまけ>

 頭の中の記憶を消すため、「まじかる☆れおんちゃん」っつーアニメ(深夜の録画)を見た。

 ……くっそつまらなかったww

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

モモの木成長日記:二曲目「なつのみぞれ」2/2

2/2です。
こちらはタイトルと全く関係ないというww

まあ、つづきをどうぞ。

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投稿日:2012/03/26 16:56:35

文字数:2,525文字

カテゴリ:小説

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