わかんないくせに！／鏡音リン

BPM：190


そんなの解んない癖に！


ねえ、
私がしょうもないリレーのバトンを渡される羽目になって二十年とちょっと、
私じゃない私の舌先はぶくぶくと肥えてしまって、
お預け喰らった身体は何処にも行けない赤子のようになって、
全てに怯えてしまっているみたい

「1+1=5だったらな」
「好きの逆が嫌いだったらな」
体裁、正解に囚われてばっかの
ダルい人類を制裁
どうせ誰も聞かないんなら
好き勝手言っちゃってもいいじゃん
きっと皆も称賛しちゃうからとか
解んない癖に、なあ！

私はお前じゃない　きっとそうじゃない
ねえ、解った口は塞いで頂戴
これが誰の言葉で、誰への言葉か
決めるのはお前じゃないから
消えろよ、なあ！
答は一つじゃないから
美しい世界、なのだろう
さあ手を取り合って飛び降りようぜ
私の気持ちも解んない癖に！


ねえ、
私がしょうもないリレーのバトンを受け取ってからどうやら五十年とちょっと、
見えない終わりに向かって走る両脚は疲れてきちゃって、
天井を眺める時間が何より心地良くて、
全てが終わってしまったみたい。

「あのこの○○が×××だから」
「あいつの☆☆が〆〆〆〆から」
崩壊　贖罪とかどうでもいいから
ノれるミュージック頂戴！
どうせ誰も聴かないんなら
好き勝手歌ったっていいじゃん
きっと皆が迷惑しちゃうからとか
解んない癖に、なあ！


私はお前じゃない　きっとそうじゃない
ねえ、解った振りは止めて頂戴
「こんな世界じゃ皆負け犬だ」なんて
認めたくなんかないだろう
吠えろよ、なあ！
正義は一つじゃないから
誰もが争い合うんだろう
さあ手を繋いで爆弾(ボム)を囲もうぜ
生きてる理由も解んない癖に！

嗚呼！
しょうもないリレーのバトンを落としてから八十年とちょっと、
私じゃないみたいに心臓はバクバクと抗議していて、
何も遂げられず迎える最期を幸福と形容するのでしょう、
そんなの解りもしない癖に！