黒い仔猫は厄介者
 「疫病神」と罵られて
 街から街へと旅烏
 何時しか出来た硝子の壁

 厚く巨大な
 壁は冷たく
 仔猫の叫び
 全て遮る

 心に開いた“穴”は言う
 「欲シカッタノハ、唯一ツ」
 「俺ヲ認メテホシカッタ」
 「否定シナイデホシカッタ」



 ある日であった黒い仔犬
 優しい世界に住んでいた
 同じ色に生まれたのに
 どうしてこんなに不公平

 無邪気に笑う
 綺麗な子犬
 「お前も堕ちて
 汚れてしまえ……っ」

 心に開いた“穴”は言う
 「コンナ事シテ何ニナル?」
 心に開いた“穴”は言う
 「構イヤシナイ、モットヤレ」



 仔猫に邪険に扱われ
 綺麗な毛並みはボロボロに
 それでも笑顔で付き纏い
 仔犬は優しく言い聞かす

 「キミが好きだよ」
 「傷つけないよ」
 「僕を信じて?」
 「嘘じゃないから」

 心に開いた“穴”は言う
 「騙サレルノハ モウ嫌ダ」
 心に開いた“穴”は言う
 「痛イ思イモ、モウ嫌ダ」



 何時か何処かのある街には
 何をするのもいつも一緒 
 キョウダイの様に仲のよい
 仔犬と仔猫が住むという

 心に開いた“穴”は言う
 「何時カ必ズ 傷ツクゾ」 
 黒い仔猫はこう返す 
 「それでもいいさ。奴となら」

 「きっと笑顔で居れる筈」
 「今までずっと、ありがとう」
 心に開いた“穴”は言う 
 「勝手ニシロヨ……知ラナイゾ」



―――――*―――――*―――――*―――――



 くろいこねこは やっかいもの
 やく(びょ)うがみと ののしられて
 まちからまちへ とたびがらす
 いつしかできた がらすのかべ

 あつく (きょ)だいな
 かべは つめたく
 こねこ のさけび
 すべて さえぎる

 こころにあいた あなはいう
 ほしかったのは ただひとつ
 おれをみとめて ほしかった
 ひていしないで ほしかった



 あるひであった くろいこいぬ
 やさしいせかい にすんでいた
 おんなじいろに うまれたのに
 どうしてこんな にふこうへい

 む(じゃ)き にわらう
 きれい なこいぬ
 おまえ もおちて
 よごれ てしまえ

 こころにあいた あなはいう
 こんなことして なんになる
 こころにあいた あなはいう
 かまいやしない もっとやれ



 こねこに(じゃ)けん にあつかわれ
 きれいはけなみ はぼろぼろで
 それでもえがお でつきまとい
 こいぬはやさし くいいきかす

 きみが すきだよ
 きずつ けないよ
 ぼくを しんじて
 うそ(じゃ) ないから

 こころにあいた あなはいう
 だまされるのは もういやだ
 こころにあいた あなはいう
 いたいおもいも もういやだ



 いつかどこかの あるまちには
 なにもするのも いつもいっ(しょ)
 (きょ)うだいのよう になかのよい
 こいぬとこねこ がすむという

 こころにあいた あなはいう
 いつかかならず きずつくぞ
 くろいこねこは こうかえす
 それでもいいさ やつとなら

 きっとえがおで いれるはず
 いままでずっと ありがとう
 こころにあいた あなはいう
 かってにしろよ しらないぞ


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

 く ろ ね こ




 “黒猫は不吉”という言い伝え?都市伝説?を元に「物語っぽいものを~」と思い立ち、起承転結に気をつけて書いていたら、思った以上にグダグダと長くなり過ぎました orz

 構成は1~6までが【A(7+6×4行)→B(3+4×4行)→S(7+5×4行)】となっており、最後だけ【A’(7+6×4行)→S(7+5×4行)→S’(7+5×4行)】となっています。




*()内は一行で数えてほしい箇所です
*ひらがな表記と漢字表記を分けました。「<<前のバージョン」でひらがな表記へ



閲覧数:179

投稿日:2010/07/25 20:36:43

文字数:1,357文字

カテゴリ:歌詞

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