雨が降っていたあの日・・・

よく覚えていないんだけど・・・。

あたしは気が付いた時、あたしより年上の女の子が目の前に立っていた。
その子は、私に優しくタオルをかけてくれた。初めて会ったけど、初めてと言う気がしなかった。
「私の名前はミクって言うの。あなたの名前は?」
「リン。」
よろしくねと笑顔で言って、あたしに手を差し伸べた。
あたしは、初めて会ったそのこの手を何も疑わずに握った。
何でか分からないけど、みーちゃんが一緒なら大丈夫だとそう思った。
大きな家・・・・ここがこれからのあたしの家なんだとみーちゃんは言ってくれた。何も心配は要らないからねって。

あたしは何も分からなかった。
「これってなんて書いてあるの?」
「それはね・・・?えっと・・・」

「これは何て家?」
「これは教会よ」

「これは何をしているの?」
「食事をしているの」
「なんで?」
「生きる為だけど・・・他には食事をすると楽しいから・・・かな?」
「あたしも食べたい」
「これから、毎日食事作るね」
「みーちゃん。これ何?」
「これは、葱って言う野菜なの・・・・あれ?何か妙に惹かれる・・・」

「みーちゃん。今日も歌ってくれるの?」
「うん。聞いてくれる?」
みーちゃんが歌うときは嬉しそうだ。
あたしも嬉しくなったっけ。
「みーちゃん。」
「なに?」
「何で歌うの?」
「それはね・・・」

・・・・

まだ寝てるのか・・・あいつめ。
そして起きたらまたどっかに飛び出すんだろうなぁ。
わたしは呆れながら別室に向かった。

・・・・
ミクには今の空間で満足できるものだったのかもしれないが、
リンにはもう既にこの空間は狭いものだったのかもしれない。
それは、ミクには理解できないものだった。

・・・・
わたしは、部屋を開けた。
整然と、しかし無機質な部屋。
一枚の紙があり、それを私は手に取った。
※イメージ曲
【初音さん】うそつきでもすき【オリジナル】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3957821
この曲は誰に作ったものなのかなぁ。
リンと出会う前は一人だったけど、
わたしは、元々一人ではなかった。
そう、一人では・・・・。

※イメージ曲終わり

あ、リンが起きた。
わたしはリンの元へ向かった。
その時、わたしの目の前がまた暗くなった。

・・・・まためまいだ・・・・

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

【第1部:シーン3】記憶【壊れた人形】

曲紹介です
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3957821
うそつきでもすき
http://www.nicovideo.jp/mylist/7436880
マイリスト

若干P氏のちょっと切ない曲です。
この曲も、大変いい曲で聞くと切なくなります。
それ以前に、若干P氏の歌詞は、元々切ない歌詞がメインだと思っています。
PVが素敵ですね。イラストも全て自作みたいですが、味があります。
お勧めですので是非どうぞ。

考察コーナー
ボーカロイドはCDやDVD-ROMが現実での正体な訳ですが、
もし、別な型で人間化していたとしたら・・・
有機?無機?
そもそもエネルギーはどこから?
人間みたいな食事ではないだろうなと。
超小型原子炉?それとも太陽光と振動のミックスでのエネルギー補給が絶えず行われている構造になっているのか?水が体内で電気分解され水素エネルギーにより動いているとか??
そう考えると妄想は膨らむのですが、食事については、話の後半で触れていきます。
・・・・当分先になりそうですが・・・・。

閲覧数:152

投稿日:2008/12/31 20:21:12

文字数:1,005文字

カテゴリ:小説

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