「どういうこと?真二朗。」
「いや、深い意味はない。まぁ、聞き流しといてくれよ。」
そういって掃除を再開する真二朗に向けて、名美が声を荒げる。
「どういうこと真二朗!いきなりそんなこと言われて聞き流せとか・・・無理だよ!」
「・・・なら、この事実に向き合えるか?」
真二朗は、名美をしっかりと見つめ、覚悟を問う。

「そんなの決まってる。絶対に受け止めるよ。」
「よし、ならちょっと来てくれ。」

真二朗が連れて行ったのは、ある空き地。
「ここになにがあるの・・・?」
真二朗は無言で、地面を押した。すると、階段が現れる。
「ちょっと・・・これ何?」
「まぁ、黙ってついてこい。」
「・・・うん。」
階段は細いらせん状になっていて、人ひとりが通れるか通れないかという狭さだ。
おまけにもう長い間使われていないようだった。

「ほら、ここだ。」
着いたのは、大きなモニターがいくつも並んだ部屋。
見回してみると、ほのかに薬品のにおいもする。
「ほんとにここって、何なの?」
「まぁ、信じたくない話もあるだろうが、ちょっと我慢してくれ。」
そういいながら、真二朗は椅子に座る。
「ここは、夕田達の本拠地だ。まぁ、作戦本部みたいなもんだろう。」
「作戦本部って・・・そんな遊びしてるの?」
「いや、それが違うんだよ。」
そういいつつ、あるスイッチを押す。
突如としてモニターが倍に増え、映し出されたのは、この町だった。
「え・・・嘘。私の家もある!?どういうこと!?」
「そしてこれがやつらの狙いだ。」
おもむろに真二朗が一つのモニターを指さす。
「・・・和人!」
「俺も信じられねえんだがな・・・。」

しばらく、涙ぐみながらモニターを見つめていた、名美が言う。
「真二朗、和人を・・・助けて・・・!」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Black dusk 第2章-4

遅刻した・・・。
ちょっと多忙でストックが作れないので、ちょっとお待ちを・・・。

閲覧数:51

投稿日:2014/08/06 09:03:55

文字数:749文字

カテゴリ:小説

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