未来は嫌いだ。
それはお前を連れていく。
優しく濡れたお前の黒い瞳を、
閉ざす明日が酷く嫌いだ。
幾つ想いを伝えても、言葉はお前を救わない。
幾ら涙を流しても、嘆きはお前を救わない。
どうか、今日よ終わらないで。
俺から世界を奪わないで。
お前のいない朝の眩しさなど、
知らないままで死んでいきたい。
お前は笑った。
それは苦しく残酷だ。
痛みに喘ぐ俺の小さな心を、
撫でるお前は酷く哀しい。
幾つ答えを求めても、希望はお前を救わない。
幾ら醜く足掻いても、俺ではお前を救えない。
どうか、過去よ還らないで。
俺から世界を奪わないで。
お前のいない夜の易しさなど、
知らないままで死んでいきたい。
お前がそっと息を止める日に、
果たして俺は泣けるだろうか。
ひとつだけ確かなことは。
その日に俺の狭い世界も、静かに終わるということだ。
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