止まない雨は無いらしい
誰かの歌がそう言っていた
だから傘もささないまま
君を捜してたんだ
「迷子にならないように
僕が隣にいてあげる」
「君の居場所の目印」と
指さして笑っていた
あの日から色づいた街も
今は雨に流されて透明な彩へ
君と景色が切り離され僕は居場所を見失う
色のないこの街はどこも同じに映るから
隣の街の交差点
よく似た横顔を見た
懐かしい声と笑顔を
人混みがさらっていく
もう一度信じたいから
耳を澄ましてみたけれど
あの日の誰かの歌も
雨が掻き消したんだ
アドレスはもう変わったのかな
Errorが怖くて
元気にしてる?の一言を
今日も指先が躊躇う
後ろ姿をただ見送る
僕に君は気付かないだろう
それでいい君の隣から
目を逸らして歩く
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