「えっと・・・まず私。はじめまして、初音ミクです」

緑のツインテールの人が、座ったまま一礼。
・・・本当は立ちたかったようだが、あまりにも狭いので。

「俺たちは鏡音レンと・・・「リンだよ! よろしくねっ♪」ちょっ、痛いよリン!」

黄色の双子の片割れのセリフを継ぐように、超ハイテンションな黄色い少女。
・・・振り回した手が、レンの方に当たってますけど?

「巡音ルカです」

少々さらっと名乗って、隣の赤と青の二人に目配せをする。

「えっと、僕はKAITO」
「私はMEIKO」

青い髪とマフラーの男性がカイトで、赤と言うより赤茶色の髪の女性がメイコ。
ふむふむ、と頷く7人。ってあれ?

「・・・一人増えてません?」

ミクが、ぼそっと呟く。はっとした様子で、残りの5人が振り返ると・・・

「やあやあみなさん、はじめまして」

・・・朗らかに手を挙げるのは、人体模型。

「「「「「「うわああああっっっっ!!!!??」」」」」」

悲鳴が上がった。

「なっ、なっ、なっ、何っ?!」
「人体模型が、しゃべったあっ! きもっ!」

分かりやすいパニック状態のリン&レン。ちなみに後がリン。隣のミクは涙目の硬直状態。
カイトは「落ち着け、落ち着け。これは夢だ。うん、梅田、じゃなかった爪だ」と、こちらも分かりやすい。
メイコは、模型相手にお酒を飲もうとして、それを止めるのはルカ。
だけど、そのやりとりが・・・。

「服着てないで、しかも内蔵とか骨とか筋肉とか丸見えで、寒くない?
 ほら、一緒に飲んでさ、体温めようよ」
「メイコさん! まだ昼ですよ(たぶん)!」
「あー、私まだ未成年なので」

二人とも、若干顔がひきつっている。模型は、ちゃんと応対してるし。というか模型の成人って何?
・・・要するに、全員パニック状態で現実逃避中ということ。

あ、申し遅れましたが、私今回勝手にナレーターをしている、菜乃花(なのか)と申します!
実は私、とある人に作られた超高性能人工知能でね・・・ ガスッ きゃあっ!

・・・あー、マスターに怒られちゃったので、無駄な話はしないことにします。

「・・・おーい、みんないい加減現実を見ようよ」
「「おまえが言うなっ!」」

困ったように(模型に表情はないけど)言ったら、双子にダイビングツッコミされた模型。
見事に直撃・・・かと思ったら、何の抵抗もなくするっと突き抜け、そのままルカとメイコに激突。

「いったぁ・・・」

2人とも、双子の下敷き。痛そー・・・。
というか、それよりも気になることが。

「い、今・・・」
「すり抜けなかった・・・?」

恐る恐るといった感じで、カイトとミクが模型の居た(あった?)場所に目をやると・・・。

「あーもう、びっくりしたなあ」

全然変わらず、模型。
・・・一瞬にして、全員が硬直した。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Vocaloids and The Little Master 2

2話です。

閲覧数:60

投稿日:2011/05/27 05:33:34

文字数:1,192文字

カテゴリ:小説

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