柿の木は 今年も たくさん実がなった
一つだけ 歪で 大きな実があった

夕暮れの空を
飲み込み過ぎた
木の葉が

落ちる

熟れすぎて 重そうな 緋が
北風に 揺れている
旅人も 野の鳥も まだ
落ちないと 背を向ける


柿の木は 今年も たくさん人呼んだ
一つだけ 残った 大きな実はいない

夕闇の空を
突き刺すような
枝から

落ちて

飢えすぎて 泣いていた 実が
北風に 乾いてく
枯れ草も 蓑虫も ただ
知らないと 目を伏せる


朝焼けの空に
似ていた色も
今では

褪せた

熟れはじめ 重かった 日は
北風に 消えていく
柿の木も 人たちも まだ
落ちたこと 気づかずに



過ぎた


 

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去りゆく秋と柿の実

親戚の家の柿の木を思い出しながら。
秋っぽい雰囲気だけど、個人的には冬の詞だと言い張ってみる。

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投稿日:2012/12/13 21:50:11

文字数:308文字

カテゴリ:歌詞

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