病室で私は目を覚ました。
 周りには誰もいなかった。
 私だけが生き残った。
 後から来た医師がそう告げた。

 平和で安全な筈の家で事件は起こった。
 凶器を持った人が家族を襲った。
 両親は殺された。
 私は腕を負傷しただけだった。
 犯人は捕まっていない。

 私はきっと気を失ったのだろう。
 では、一体誰が私を病院に?
 両親は殺されたし、私には兄弟がいない。

「それは僕だよ…」
 隣の病室から声が聞こえた。

「僕が君を助けたんだ。
 君の居場所を、僕は作ったんだ。
 君の両親は君から居場所を奪おうとしていた。
 だから、僕が動くしかなかった。
 僕の行動は全て君の為……」

 何を言っているのだろう、この人は?
 私の両親がそんな事をする筈がない。

 …そう、貴方なんだね。
 私の両親を殺し、私に怪我を負わせたのは。

 私の居場所は、私が作る。
 貴方に縛られるなんて…真っ平ごめん。

イメージ:
私-MEIKOかルカ

ライセンス

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歪んだ愛が紡ぐ結末

 人の居場所を作る事が出来るのか、その為には何をしてもいいのかを考えました。
 内容は暗くて恐ろしいものですが、人の行動や思いを考えて頂けると嬉しいです。

閲覧数:119

投稿日:2011/06/01 12:06:48

文字数:425文字

カテゴリ:その他

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