最近の投稿作品 (25)
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傍観者が見た世界
彼は罪を犯す。
知られなければ大丈夫だと言いながら。
彼は罪を重ねる。
それ自体は見えないからと言いながら。
物を盗む。
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変わる姿、変わらぬ想い
2月の雪の日、私と彼は永遠の愛を誓った。
離れていても、心は一緒…彼はそう言った。
彼が遠い国に旅立ったのはそれから3日後の事だった。
-あれから10年。
彼はまだ帰って来ない。
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闇の掟
「森に入ってはいけない。
入ったら最後…」
親から子に、子から孫に伝えられる掟。
いつから伝えられたのかは不明。
しかし、掟を疑う者はなかった。
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歌姫が海魔女になった理由
妹は、歌う事が大好きだった。
しかし、人前では決して歌わなかった。
自分の歌を聞いた人は不幸になる…それが、妹の口癖だった。
妹はいつも人のいない所で歌っていた。
彼女の歌を聴くのはいつも鳥や獣。
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声 ~警鐘~
今日も何処かで誰かが泣いている。
これで3日目。
僕は声の主を捜すが見付からない。
1日目は森へ行った。
2日目は山へ行った。
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力の意味
どうか、聞いて欲しい。
私は、大切な人を傷付けた。
守りたかっただけなのに、私の剣は大切な人の心臓を貫いた。
攻め込む剣、守り抜く盾、不思議な杖。
この中から1つ選べと言われ、私は剣を選んだ。
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名もなき娘の物語
ある所に、貧しい親子が住んでいた。
父親は酒を飲むばかりで働こうとせず、母親は病弱で働けない。
娘はまだ幼い為、親子は隣家の人達に養って貰っていた。
しかし、隣家も決して裕福とは言えなかった。
自分達が食べて行くだけで精一杯なのに隣家まで…
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猫と少年と女性
ある所に猫がいた
薄汚れてやせ細っていた
それを見た少年は猫を連れて帰った
しかし、彼の住むマンションではペットを飼う事が出来ない
話し合いの結果、里親が見付かるまでという約束で飼う事を許された
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悪魔の玩具
私は、籠の中の鳥
詩を謳う事しか出来ない
空を飛ぶ為の翼はとうに折れた
私は、飛べない鳥
僕は、檻の中の獣
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神と人との約束 ~願い~
美しい少女は願った
醜い友人に美しい姿を…と
その願いは叶えられた
友人は美しい姿を手に入れた
誰からも愛される少年は願った
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愛するという事
ある人は妹を永遠に愛すると言った
別の人は妹を一生愛すると言った
しかし、妹はどちらも選ばなかった
愛を求めてやまない妹だが、それでも…
私は知っている
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終わらない夢物語
夢を見た
光の中で子供達が遊んでいた
皆、笑顔だった
私もつられて笑顔になった
夢を見た
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大切な人
主よ、聞いて下さい
私は大切な人を失いました
その人は私を愛して下さいました
しかし、私は彼を守る事が出来ませんでした
私も彼を愛していたのに…
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愛する理由、愛さない理由
愛に傷付き
愛に苦しみ
私は人を愛する事を止めた
愛されたくて
嘘で塗り固めて
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歪んだ愛が紡ぐ結末
病室で私は目を覚ました。
周りには誰もいなかった。
私だけが生き残った。
後から来た医師がそう告げた。
平和で安全な筈の家で事件は起こった。
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告白
「どうして断ったの?」
「勿体ないよ。
あんないい男に告白されるなんて、滅多にない事だよ?」
貴女達は知らないのよ。
あいつが今まで私にどれだけ酷い事をして来たのかを。