♪居自家テル目線

「本番5分前です。出演者の方は移動するのでワタシについてきてください」
イヨさんが部屋に入ってそう告げる
「音様、メイクおわりましたか?」
鏡とにらめっこ中のオレの肩を叩くキラたん
「…変じゃないよな。大丈夫だよな、いけるよな、バレないよな、オレに見えないよな?」
「音様?鏡さんとお話できるんですか?」
「キラたんんん!!オレおかしくないか!?さっきの素顔のオレって分からないよな!?」
後々考えてみたら、15歳の女の子にすがりつく半泣きの男ってかなり不審だったと思う
「音様はかっこいいですよー☆メイクっていったってそんな見た目変わってないですけど…。自信持っていれば大丈夫です!!」
…さらっと見た目変わってないって言われたな。うん、自分でも気付いてた。てか、こんなオレにかっこいいって言ってくれるとかキラたんマジ天使
「otoraku様、キララ様ー急いでくださーい!!」
「あっ、はーい!!音様、行きましょう?」
うん、よく考えてみなくてももう引きかえせないんだよな。こうなったら…
「…うん。行こうか!!」
やるしかない!!

『れでぃーすえーんどじぇんとるめーん!!今宵はVOC@LOID☆CHANNEL放送100記念生放送スペシャルだあああああ!!』
ワアアアアアアアァァァア!!
ステージ裏でも鼓膜がビリビリ響く程の歓声。ちら、とステージを覗くと眩しい照明とたくさんの人が全員ステージをみつめていた
『こんばんわー!!毎度おなじみ司会はmikiでえぇーす!!そして!スペシャアァルゲストの初音ミクさんの登場だああぁ!!』
スポットライトの先には、画面ごしに憧れていたあの青緑のツインテールの後ろ姿が…姿が…!!
嗚呼。オレ、今シんでも後悔しない…
「音様!音様!!昇天しないでくださいぃ!」
「あ、キラたんという名の天使が見える…ふふふ」
「昇天するなら歌ってからにしてくださいよー!!ほら、もうすぐ音様の出番ですよ!!」
「え?」
「トップバッターです!!」
「……ちょっとメルトダウンしてくる」
「現実逃避しないでくださいー!!核融合炉なんてその辺にはないですから!」
キラたんによると、待合室で順番が発表されたときオレはmy(ネガティブ)ワールドに入ってたらしく話を聞いていなかったらしい。再びネガティブモードになりかけたとき無情にもmikiの声が響く
『さぁ!スペシャルに相応しいトップバッターは今某動画サイトで人気急上昇中の歌い手otorakuさんでーすッ!!それでは、登場していただきましょう!どうぞ!』
mikiからオレがいる舞台袖まで照明が当てられ、光の道ができる。やっぱ、これ…無理っす。とか言えたらどんなに幸せだろう。
後ろではスタッフの声とキラキラした瞳で見てくるキラたん、前を見ると舞台袖の方に注目する観客…。逃げ道は、ない

不協和音が交錯する頭の中で何かが切れたオトがした

ワアアアアアアアァァァア…!!
拍手と歓声に気付けばステージの真ん中でスポットライトを浴びる自分。目の前は人の海。え…何これ、夢オチ?
『とても素敵でした!mikiカンドーですッ!!』
そういってアホ毛をぶんぶん揺らすmikiがマイク片手にオレの横に立っていて
『とてもよかったですねー!では、特別審査員の初音ミクさんに感想を聞いちゃいましょう☆』
…え!?これ三次元(リアル)?Not二次元?実際の出来事=ノンフィクション?
『えっと…、すごくよく通る声で聞き惚れちゃいました!あと―――』
初音さんの声なんて、もうオレの頭には届かなかった

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  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

ようこそ☆亜種藍荘へ!17

パニくるテル君の脳内書くのが一番楽しかったり…www

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投稿日:2011/02/06 18:15:31

文字数:1,492文字

カテゴリ:小説

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  • 安酉鵺

    安酉鵺

    ご意見・ご感想

    15歳女子に縋り付く半泣きの男は不審者か…、そう考えるとウチの野郎陣大半不審者だな~17歳に執着する28歳、18歳狙う25歳と23歳…ナニコノ不審者オンパレード!!イヤンバカンwww

    2011/02/07 11:56:26

    • 0-ko

      0-ko

      確かにwww

      2011/02/07 12:57:53

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