『黒い涙、白い声』

ひとりきりの街は
いつもより冷たくて
小さな僕のこと
隠すみたいに夜になる

いつまでたっても
止むことを知らない雨は
傘さえ持てない
孤独の痛みを濡らす
冷たい雫は本心か、それとも？

黒い涙、白い声
どこかで強がりが笑って
「大丈夫」とか呟く
本当は弱虫なくせに

ずっと明けない夜
冷えた体に染みる
偽りの光は
何時になったら、消えるのか

いつまでたっても
僕を覆い隠す闇は
嘘つきの心
それしか生み出せなくて
本当の僕を何処へやったのか

黒い涙、白い声
上辺だけの笑顔が溢れ、
「大丈夫」とか囁く
本当は泣き虫なくせに

いつか、本当の朝が
見つかれば
惨めな僕も少しくらい
変わるかな

黒い涙、白い声
水溜りに映った僕は
落ちた雨粒に
掻き混ぜられて醜く歪む

黒い涙、白い声
また何処かから聞こえてきた
「大丈夫」なんて声が
何故だろう、震えていたんだ

いつか、本当の朝が
見つかれば
惨めな僕も少しくらい
変わるかな