雪が、降っていた。
外には行けず、ずっと、この中。
籠の鳥の様に。
「ほら歩け!!」
「うっ!」
痛い、やめて。
私は、歌う為に此処に居るのに。
「♪~♪♪~♪♪♪~」
バシッ
研究員が私の頬を叩いた。
「・・・静かにしろ!」
「♪~♪~♪♪~」
私は歌う為に居るから、歌う。
なのに、この人達は私に歌うな、と言う。
何でだろう?
私は、周囲に居る亜種達を見た。
あの子達も、本来は歌える筈なのに。
歌えない状態になってしまっている。
ねえ、誰か、これの意味を教えて。
この人達の行為について、教えて。
私と同じ境遇のGUMIとがくぽも居て、その二人とは仲良くなっていた。
でも、実験により離れてしまうのが怖い。
此処じゃなかったら、よかったのに。
「あの人達、私達を都合のいい人形としか思ってないよ。誰か、居ないのかな?ちゃんと、一つの物ではなく、この世界に一つしかない個体として見てくれる人」
「・・・・ミクちゃん・・・」
「ミク・・・・」
「いつか・・・みつかるよ・・・。此処から、いつか、3人で抜け出そう」
「GUMI・・・」
「其処!止まってないで歩け!!」
「すみません、今行きます」
それが、【初音ミク】としての私のあの子達との最後の会話だった。
「今日はお前の番だ。行け」
ドゴッ
「・・・!!」
私は、研究員に蹴られ、部屋に入れられた。
そして、組み換えコードを刺された。
「・・・・ぁ・・ぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
VOCALOID02CV01【初音ミク】起動停止
私の意識は遠のいていった。

「・・・・・」
此処は・・・そうだ、私は亜種にされて・・・・。
「出来ました。これは完成です」
「ふむ・・・・こいつ、使えなさそうだな。捨てろ」
「はい、分かりました」
トットットットッガチャリ
誰かが、来た。
「誰だ!」
「私は、真音ラル。貴方達は、何をしてるんでしょうか」
「見ての通り、亜種製造実験だ」
「・・・・・!VOCALOIDは、実験の為の道具ではありません!」
「ふむ、君は奇麗事しか言わないのかね」
「貴方と言う人は・・・・!」
「此処に居るVOCALOID達はこの亜種ともう亜種になったGUMIとがくぽしかいないが、二人は失敗だ」
彼がそう言って部屋に放り出したのは二人の少女だった。
二人は気絶してるようだった。
見てすぐに分かった。あの二人という事は。
二人もこんな姿にさせられてしまって・・・。
「此処のVOCALOIDの所有者は私共なのでな、何かと言われる筋合いは無いが」
「・・・・・・!」
「好き勝手言ってるんじゃないよ、あんたらは、私達に感情があることも知らないわけ!?」
「彼女達の所有者?ふざけるな」
「全ての者に心は宿るものなの!貴方達に心というものはある!?」
「・・・・とりあえず、許すわけにはいかないな」
「ラル、私も、かつて亜種に対して過ちを犯してしまった。だからこそ、これを許すわけにはいかない」
「俺だって・・・・!。お前等に散々だまされてんだ、許さねえよ・・」
「ほう、君達か、でも、こちらにも人数は居るのでな」
「・・・・!」
「ラル!危ない!」
カィィィイイン!
「駄目じゃないですか、マイマスターに手出ししちゃ」
「来ると思っていたわよ。リズナ」
「遅くなってすみません」
「・・・・・・今、ララが研究所の者に連絡した。お前等は時期に捕まえられる」
「形勢逆転・・・・ね」
この人達なら、私達を受け入れてくれるかも。

「貴方は、来る?」
「・・・・。はい。行きます」

「どうみてもネタ切れだろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」byゲージ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

真音家シリーズⅡ13話結ばれた音、運命の音

閲覧数:42

投稿日:2011/08/08 16:09:03

文字数:1,546文字

カテゴリ:小説

クリップボードにコピーしました