広いこの都会（まち）で
風に揺らいだ茜（あかね）
痛みの意味を知って
愛に気付いた
フリをした

その嘘ごと愛せるくらい
きれいな言葉 覚えた
ロマンチックをわかっていたい
フリを フリを
フリをしてきた

不幸でしか知れない綺麗
そんなのもあったような
ドラマチックに生きていたい
フリを フリを
フリをしてきた

吐いた煙と青 霞（かす）んだ目も
まあいいよ 気付きやしないよ

ひとりぼっち見上げた夜半（よわ）の中
ワンデイ 胸をさすのは
雑踏（ざっとう）と「あいしてる」のうた

街角（まちかど）で泣く少年に 何をしてやれるんだろう？
急ぎ行くあの少女の 探しものはなんだろう？
その水溜りの中の 落としたものを拾えるの？
繰り返す他人事（ひとごと） 全部
嗚呼 嗚呼 嗚呼 嗚呼

ひとりぼっち見上げた夜半（よわ）の中
ワンデイ 胸をさすのは
たまに星が綺麗だったなんてこと なんてこと
ひとつずつ大切を
置いていかなきゃいけない世界で
本当に大切なもの
見つけたら 見つけたら

ある日の晴れた昼下がり
ビー玉越し 光る瞳
名前を変えていく縁（よすが）に
振り返る 間違い探し
空とポケットの間に
積み重なった 置き手紙
出会えたこと ただ誇れる
少しの強さ あったなら あったなら

広いこの都会（まち）で
明日（あす）を数えただけ
いつかの星のこえ
歩き始めた
フリをした