宿り夢／初音ミク・こしょうぐま

kosyouguma

初投稿です。

音楽制作　matoi
歌詞・動画　koeda
によるユニットです。

宿り夢

くゆる煙を水で弾けば
にじむ空気のほとぼり引いて

袖を揺らせばなびく撫子
柄杓片手に宵が近づく

あかりを灯してゆらり
あかりを消して目を閉じれば

ぽつりまたひとつ幻
灯るこの光は宿り夢
ゆらら色を無くしては
静やかに暗くなる

ぽつりまたひとつ幻
灯るこの光は宿り夢
はらりほどけては散りゆき
掴めずに空を切る

くゆる煙を細く吐き出し
淀む空気は流れて回る

軽く仰げば傾ぐ(かしぐ)雛芥子
煙管片手に暮れなずむ空

あかりを灯してゆらり
あかりを消して目蓋の奥

ぽつりまたひとつ正夢
起こるその徴(しるし)は宿り夢
そっと傍らに落ちた
響き耳に残って

ぽつりまたひとつ正夢
起こるその徴は宿り夢
そっと手を伸ばしなぞるは
淡いその望みか

夢かうつつかうつつか夢か
幻なのかこれが真か

蝋燭の火はとうに薄らぎ
満ちる気配は思い過ごしか

漂う残り香微か
あかりを消して目を開ければ

ぽつりまたひとつ幻
灯るこの光は宿り夢
ゆらら鮮やかに染まり
まぶしいほど色めいて

ぽつりまたひとつ幻
灯るこの光は宿り夢
はらり解けては芽吹いた
花びらは確かに