「…ねぇ、帯人」
「何?グミ」
「今此処から私が居なくなったら帯人は悲しむ?」
「…いきなりどうしたの。グミらしくない」
「私らしくない…ねぇ」
目の前にあるのは一面の星空。グミと帯人はぼんやりと夜空に掛かる天の川を眺めていた。
「帯人はさ、私が私らしい所ってどんな所だと思う?」
「…いつも冷静でケンカした時にミクやリン達を宥めてる所とかかな」
「だってあれはミク達がお菓子の取り合いをするから…!」
「分かってる」
帯人はグミの頭をぽんぽんと撫でる。
「グミは違うね」
「何が?」
「普通のグミはもっと明るくてみんなを盛り上げるような子でしょ?でも君はいつでも落ち着いててとっても静か」
「…そういう帯人だってあんまりヤンデレじゃないじゃない」
「そう?」
「そもそも帯人が私のことを好きなのもおかしいのよ。普通の帯人はみんなマスター好きじゃない」
「マスターは好きだよ?ただ恋愛対象として好きじゃないだけ」
「…やっぱり変」
「ふふ」
帯人は隣にいるグミを抱き寄せた。
「…帯人?」
「…僕がヤンデレじゃなくなったのはグミのおかげなんだよ」
「え?」
「ずっと不安だったんだ。グミが僕の元に来るまで僕は誰からも必要とされてない気がして、怖くなって何度も自分を傷つけた。見放されるのが怖くて何度もマスターに縋って僕が必要な存在なんだって確認させてた」
「………………」
「最初グミと会った時は君がすごく妬ましかったよ?僕は所詮カイトの劣化コピーだから、オリジナルには絶対になれなかったから……でも」
「でも?」
「グミと一緒にいたらそんなことなんてどうでもよくなっちゃったんだ」
帯人が綺麗な笑顔で笑う。
グミはその笑顔で何度も勇気付けられた。
いつだってそう。
ふと、グミは夜空を見上げる。
「そういえば…今日って七夕だね」
「ああ、…そうだね」
「私はさ…織り姫と彦星みたいに一年に一度しか好きな人と会えないなんて絶対に嫌だな」
「…え?」
「私は、帯人とずっと一緒に居たい」
普段なら恥ずかしくて言えない言葉も、今日だけはするりと口から零れた。
「…僕も」
『ずっと、一緒に居よう』
真夜中の零れ話。
七夕ということで小話を書いてみました。
帯人ってヤンデレだからあんまり幸せになれる話って少ないんですよね。
自分を傷つけてしまったりすることが多いから。
だからほんのちょっとした話で帯人が幸せになれたらいいなって。それでこの話を書きました。
本当はこの二人じゃなくてもよかったんですけど、私は何故かこの二人が一緒にいるのが一番しっくりくるので。
グミも悲しい歌を歌うことが多いけどきっといつかずっと一緒に居られる人が現れるのを望んでいるはず。
だからこの二人にはもっと幸せな歌を歌って貰いたいです。
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