あの後気まずいまま、私達はそれぞれ解散と言う流れに…。
「…なるのが普通ってもんじゃないの?!」
「日向、耳元で大声を出すな。」
「お客さん方、もう直ぐ到着ですよー。」
「うわ、何この豪邸…此処に1人暮らしとか何の試練…。」
そう、あの後何故か旋堂さんが『空気が湿っぽい』とか言い出して、気が付けば皆で旋堂さんの家に集まってヤケパーティーをする事になった。一体全体どう言う神経してるのよ、あのキンキラ頭は!そもそもストーカーの奴とか簡単に信用しちゃって良い訳?あーヤダ!私だったら絶対逃げるわ。
「日向、ちょっと良いか?」
「何よ、大体貴方警察のクセにパーティーとかどう言う…!」
「佐藤莉子の家を調査した班から連絡があった。七海拓十を除く参加者全員の写真や調査書が見付かったそうだ。勿論君の物もだ。」
「ん?ゲームの時の?」
「いや…君3年前からブログやってるよね?」
「ええ、まぁ…適当に今日あった事とか書いてる携帯ブログですけど。」
響さんが眉を寄せて少し考え込んだ。え?私のブログって本当にただの日記なんだけど…?そんな変な顔される様な物書いた覚えも無いのに、何よこの空気は。
「佐藤莉子のPCに調査書の他に日記みたいな物もあってね、それに寄ると君が日高を罵倒したと書いてあるらしいんだよ。」
「はい?!何それ…そんなの知らな…!」
「『うわー近所でストーカー逮捕だってー』何か近所で逮捕劇があったらしい、ストーカーとか気持ち悪過ぎ!皆も気を付けてね~。…ふーん…。」
「え…?」
振り返るとストーカーの人が携帯片手に飄々とした態度でこっちを見ていた。今読んだのって私のブログ?
「あの…。」
「twitterにもバラまいた?」
「え…よく覚えてないけど…多分…。」
笑ってはいるけど背筋が凍る様な冷ややかな視線に耐え切れず目を逸らした。何…もしかして…そのブログ見て佐藤さん私の事恨んだって言うの?それでこの人も私の事…。
「あのさぁ。」
「ヒッ!!」
「別に今更責める気無いよ、君は多分に逮捕劇って祭りに便乗した様なもんだろうし、1人ずつ叩いたってキリが無いのは莉子も解ってたと思う。」
「…………。」
「莉子は利用されたんだよ…叩きようの無い物を無理矢理絞り込んで『こいつ等が憎い相手だ』って目の前に並べられたんだ。やり場の無い怒りの矛先としてね。」
胸がズシンと重くなった。気楽に書いたブログが誰かの恨みの矛先にされるなんて思いも寄らなかった。ううん、考えたくなかったのかも知れない。
「…それからさ。」
「は、はいっ?!」
「メイク下手過ぎ。」
「はぁ?!」
「お兄さんが直してあげるからちょっと来なさいな。」
深刻さゼロ?!
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